第47回徳島新聞読者の写真コンクール(徳島新聞社主催、ニコンイメージングジャパン、アワガミファクトリー共催)年間賞と第42回ニュース写真賞の表彰式が1月21日、徳島新聞社で行われた。年間賞1位の後藤田溜美子さん=吉野川市鴨島町、2位の篠原敏晃さん=阿南市横見町、3位の古岡友子さん=阿南市羽ノ浦町=と、ニュース写真賞で団体表彰を受けた「南つるぎサポーターズクラブ・山の遠足」の大西伸正さん=鳴門市撫養町=に写真への思いや撮影で心掛けていることなどを語ってもらった。

自分なりの視点を意識

年間賞1位 後藤田溜美子さん(吉野川市鴨島町)

「水辺の詩」 第567回入選

 5年くらい前にカメラを購入したものの「読書に例えれば積ん読状態」と言うように、時々シャッターを切るだけで、作品作りには至らなかった。知人から「コンクールに出してみたら」と勧められたのを機に、3年前から読者の写真コンクールへの応募を始め、以降は積極的に撮影に出向くようになった。

後藤田溜美子さん

 見慣れた光景や被写体でも、自分なりの視点で撮るよう心掛け、無理をせずにマイペースでの作品作りに励んできた。自分自身が気分良く写真を撮りたいとの思いから、撮影の際のマナーやルールには特に細心の注意を払う。

 写真を撮っていて良かったと思うのは、撮影現場での出会い。多くの人から撮影のアドバイスや指導、さらには応援や励ましをもらうことができたといい「さまざまな人の支えがあったからこそ続けられたと感じますね」と感謝する。

 これからもさまざまな被写体に挑戦し、独自の視点で表現できるようになりたいと目標を語る。「見た人が面白いと感じてくれる作品を撮影したい」と意気込んでいる。

 

自然体の姿を捉えたい

年間賞2位 篠原敏晃さん(阿南市横見町)

「海辺のバケーション」 第567回特選

 5年前にスキューバダイビングを始め、水中の生き物や美しい光景を写したいと機材をそろえた。さらに3年前からは人物を主題とした作品作りも始めた。

篠原敏晃さん

 水中撮影ではダイバーとしての行動を優先し、生き物の生態や行動パターンに従ってアプローチするのを基本としている。一方、人物撮影ではラフスケッチを用意するなどして、コミュニケーションを図りながら楽しく撮影が進む環境づくりを目指している。

 入賞した「海辺のバケーション」はポートレート撮影を水中で行った。自然な表情を撮るため、モデルには自由に泳いでもらったという。自身もシュノーケル装備で潜ったり、周辺を泳いだりしながら撮り、ほぼイメージ通りに仕上がった。「モデルの協力なしでは成立しなかった作品」と語る。

 長引くコロナ禍でしばらく遠出を控えていたが、これからは撮影の場を県外へも広げたいという。「作品に協力してくれたモデルやダイビングインストラクターの方々に感謝を込めて、フォトブックの作成や写真展も開きたいですね」。

納得いくまで 何枚も

年間賞3位 古岡友子さん(阿南市羽ノ浦町)

「雨のひな壇」 第562回入選

 写真撮影を始めて10年。いい写真を撮るにはカメラをしっかり構えることが大切だと感じている。「ピントが合っていなかったり、ぶれたりするのは避けたい。シャープに写すことを基本にしている」と話す。

古岡友子さん

 撮影では、納得いくまでシャッターを切る。入賞作品の「雨のひな壇」を撮った日は雨だったこともあり、ひな人形にかぶせたビニールシートが光ってなかなかピントが合わせられなかった。撮影枚数を増やし、自分のほしい場所にピントが来ているコマを慎重に選んだ。

 人の多く集まるイベントでは、子どもたちの表情にカメラを向ける。「楽しそうな子どもの姿は被写体として素晴らしい」と、各地で行われる年中行事のお祭りや行事に足しげく通う。

 これからの撮影対象として考えているのが風景。それも単なる風景ではなく、人物を配置し、さらにその表情を生かしたストーリー性のある作品にできればというのが目標だ。人が入ることで風景と人との関わりが強調できるのではと試行錯誤を繰り返しながら、撮影を続けている。

まさかの遭遇 慎重に

ニュース写真賞 南つるぎサポーターズクラブ・山の遠足

16年ぶりに撮影されたツキノワグマ=那賀町岩倉 2022年6月26日、長谷哲雄さん撮影

 南つるぎサポーターズクラブ・山の遠足(那賀町)の10人が、同町の石立山でオオヤマレンゲの保護活動を終えて帰る途中だった。同町岩倉の町道の道端にたたずむツキノワグマをメンバーの一人が発見。すぐに車を止め、それぞれがカメラやスマートフォンを手にゆっくり近づいて写真20枚、動画2本の撮影に成功した。事務局の大西伸正さん=鳴門市撫養町=は「まさかクマに出合うとは思っていなかった」と当時の様子を振り返る。

 その中の1枚が徳島新聞紙面を飾った。ツキノワグマの撮影成功は16年ぶり、県内では2例目とみられる。写真を撮影した長谷哲雄さん=美波町西由岐=は「ツキノワグマは豊かな自然の象徴なので確認できて良かった」と喜ぶ。

 以前から同地での目撃情報があったため「見られたらいいな」と仲間と話していたという大西さん。写真が好きで、会員らとともに花や景色などを撮影している。「私たちは山で遊ばせてもらっている身。ツキノワグマに限らず、希少な動植物を大切にしていきたいですね」。