吉野川市文化協会鑑賞部の活動を紹介したパネル展=同市鴨島町の市文化研修センター

吉野川市文化協会鑑賞部の活動を紹介したパネル展=同市鴨島町の市文化研修センター

吉野川市文化協会鑑賞部の活動を紹介したパネル展=同市鴨島町の市文化研修センター

吉野川市文化協会鑑賞部の活動を紹介したパネル展=同市鴨島町の市文化研修センター

 吉野川市文化協会が「鑑賞部」というユニークなグループを設け、さまざまなジャンルの芸術文化を見て味わう活動に取り組んでいる。芸術を愛(め)でる楽しさを共有するとともに、優れた作品に触れて得た知識を、協会の活動に生かす狙いがある。2005年の部発足から17年余りの歩みを紹介したパネル展が、同市鴨島町の市文化研修センターで開かれている。

 鑑賞部は、市文化協会を芸術家だけの集まりにするのではなく、作品を鑑賞する人も加われば活動がより充実したものになると考え、市民約10人を中心に立ち上げた。多い時は部員が160人余りに増えた。

 活動は年5、6回。主に京阪神で開かれるオペラや狂言といった舞台、絵画などの美術展、著名な建築物の見学に出かけ、優れた作品に触れる。地元にも目を向け、県内の文化財や史跡を巡るツアーも催す。

 市文化協会によると、県内の文化協会の中で芸術作品の鑑賞を目的に継続して活動しているグループは他にない。部員が鑑賞で得た演出のアイデアや作品の展示方法は協会に還元。主催する公演や展示会に生かすなどして役立てている。

 現在、部の役員はいずれも70~80代と高齢化。近年は新型コロナウイルスの影響もあり活動への参加者が減少している。今後は若い世代に引き継ぐ予定で、パネル展は部の存在を周知し、市民らに広く参加を呼び掛けようと開いた。

 展示では、15年以降に訪れた33カ所の鑑賞記録を写真と文章で紹介。鈴木るり子部長(74)=同市鴨島町麻植塚=は「単に好きな芸術を見るだけではなく、吸収して自分の創作や協会の活動に生かせるのが楽しみでもある。多くの人に興味を持ってもらいたい」と来場を呼び掛けている。

 パネル展は12日まで。午前9時~午後5時。無料。