まだ知名度がそれほどあるわけではない。しかし、創造に懸ける思いは熱い。美術、音楽、舞台、伝統文化…。将来は大きな賞に輝いたり大舞台に立ったりする日を夢見て、日々精進する徳島の表現者たち。創作の現場を訪ね、活動の様子や作品に込める思いを随時紹介する。

 陶芸家で鳴門教育大教授の栗原慶さん(54)=北島町中村=は創作を始めて30年。「青白磁」という白磁に鉄を少し混ぜた淡青色の作品が主体だ。肌がしっとりして透明感があり、派手な柄がなくても見る人の視線を集める。鉢や皿、花器など形は多彩で、胴をひねったり底をV字に折ったり、試行錯誤の跡が見える…