徳島藩主・蜂須賀家の新春行事を再現した「徳島城射初め演武」が5日、徳島市の旧徳島城表御殿庭園であり、古式にのっとった弓術が披露された。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止され、開催は2年ぶり。
徳島城射初め保存会(板野町)の約40人が、武士の装束の直垂(ひたたれ)やはかま姿で登場。一つの的に3人が矢を放つ「的前体配(まとまえたいはい)」や、10本の矢を矢継ぎ早に射込む「数矢(かずや)」、紙吹雪が仕込まれた18センチ四方の小さな杉板を狙う「射割(いわり)」など5種類の演武を繰り広げた。「ヤー」「エイ」など掛け声を上げながら矢を放ち、見事に的を射抜くと観衆から拍手が送られた。
孫が演武に参加した板野町川端の農業奥尾周二さん(74)は「矢が的中する乾いた音が響くたびに紙吹雪が舞って感動した」と話していた。
射初めは、徳島藩主が家臣から年始のあいさつを受けるのに先立ち、一年の無事と武運長久を祈って行われていた。