「NIEは新聞を使う教育活動なので、新聞業界には良質な情報の提供を求めたい。情報の受け手と発信する新聞社の橋渡しができれば」。来年4月からの新体制に向け、今の心境を語る。
学会には設立時の2005年から常任理事として参加。NIEを学問として捉え、会員とともにその研究や実践方法の開発に取り組んできた。今月の総会当日、理事の互選で新会長に推され「会員の総意ならば」と引き受ける決断をした。
早急に取り組まなければならない課題として若者への主権者教育の充実を挙げる。選挙権年齢が18歳に引き下げられ、来年夏の参院選から未成年の「主権者」が一票を投じることになる。良い主権者になるためには、世の中の流れを正しく理解し、さまざまな課題について考え、判断し、行動する公民としての意識を高めることが大切とされる。
「そうした教育にはより信頼性の高い情報源が教材として適している」と話し、主権者教育の一翼を担うNIE活動に期待する。
鳴門教育大ではNIEをはじめ、学校の危機管理や防災を教える学校教育学などを専門分野に幅広く活躍。学生には「教員を目指しているからこそ新聞を読み、社会の動きをしっかりと理解してほしい」と注文している。
小学生のころから機械いじりが好きで、進学した東京学芸大大学院では電子工学を専攻していた。多忙のため趣味のアマチュア無線からは何年も遠ざかっている。
坂出市の自宅に妻を残し、鳴門市里浦町の宿舎に単身赴任中。3人の娘と4人の孫がおり、近く孫がもう1人増える。61歳。