藍を彩色した備前焼の皿を手にする亀島さん=松茂町広島のマツシゲート

藍を彩色した備前焼の皿を手にする亀島さん=松茂町広島のマツシゲート

わらの模様「緋襷」が藍色の部分に伸び、一体感を演出している

わらの模様「緋襷」が藍色の部分に伸び、一体感を演出している

 徳島県松茂町広島の会社員亀島稔典さん(72)が、藍を彩色した備前焼の作品展を同町の交流拠点施設マツシゲートで開いている。町内には藍の豪商だった三木家があることから、藍で地域おこしを図ろうと岡山県の陶芸作家に制作を提案し、実現した。28日まで。

 展示しているのは、マグカップ、湯飲み、皿など6種類計30点。いずれも全体の半分近くに藍を彩色している。素焼きの土色と濃い藍色が対照的で、独特な風合いを生み出している。

 徳島市で栽培された藍を灰にしてあくを抜き、釉薬(ゆうやく)のベースに使って色付けした。備前焼は釉薬を用いないのが特徴で、素焼きのざらざらした部分と、光沢のある藍色の部分とでは手触りが大きく異なる。

 素地には、窯詰めの際に稲わらを巻いてできる備前焼の特徴的な模様「緋襷(ひだすき)」が付いている。藍色の部分にも模様がうっすらと伸び、作品の一体感を演出している。

 亀島さんは、大手ディスカウント店の運営会社を定年退職した後、北島町内のスーパーで勤務。地域の歴史に関心があり、8年ほど前に藍を使った備前焼を企画し、義理の兄で陶芸作家の高橋正志さん(72)=岡山県井原市=に制作を依頼した。3年前に試作品が完成し、2021年末から本格的に生産している。

 亀島さんは「緋襷が藍に合うと思ったのがきっかけ。色合いもマッチしており、世界に売り出したい」と話している。

 展示品は3500~5500円で販売する。マツシゲートでは展示のみとなっている。希望者は亀島さん、電話090(1579)6891。