16歳にして、米国でプログラマーや機器開発者として活躍する高校生がいる。ロサンゼルス近郊のマンハッタンビーチに住む坪井アンジェリーナさん。美馬市穴吹町出身の佐藤勝さん(85)=東京都在住、コールセンター運営会社顧問=の孫に当たる。今は津波発生に伴う波高の変化を沖合で捉え、高さや速度を予測する機器の開発に挑んでいる。同様の機器は既にあるが、資金力に乏しい途上国や研究機関にも活用してもらうため、小型で安価なタイプへの改良を目指している。社会の課題を見つけ、解決方法を考えること―。これが坪井さんの研究に対する思いだ。

 開発中の潮位観測機器はブイのようにプラスチック製の球状で、海面に浮かべて使う。大きさは直径約15センチ。太陽光発電を動力源とし、センサーが波の動きを把握し、異常を感知すると津波の陸地への到達予測時間などを計算し伝達する。

 機器の小型化や安価な素材の採用、システムの簡易化によって製作費の抑制を目指す。従来の潮位観測機器は性能次第で価格帯の幅は広く、一台30万円、60万円などとなっているが、坪井さんは1万円程度の製作費とするのが目標。「今の機器は高過ぎて、小さい研究機関が参入できない。才能のある人が自由に使って、津波に強い社会を実現してほしい」と話す。

 他にも多くのチャレンジをしてきた。その一つが…