国公立大学の2次試験前期が25日に迫った。入試当日、徳島県内の大学でも多くの受験生が筆記試験や面接に挑む。1月中旬の大学入学共通テストから前期入試までわずか1カ月程度、前期から後期入試まではさらに短い。合格者は最後の追い込み期間をどう乗り越え、大学への切符を手に入れたのか。2022年度に入学した徳島大1年生に、受験対策やモチベーションの保ち方などを聞いた。

理工学部理工学科知能情報コース 杉尚さん(19) 大阪府出身 前期合格

杉尚(すぎ・なおき)さん

 勉強は過去問が中心でしたね。高校の先生に「四国の大学は隣の県とかの入試問題を見て問題を作ったりするみたいだから、そういう問題も解いた方がいい」と言われて、香川県の大学の問題も解いていました。

 大学入試共通テストは数学が散々な結果。自信があった数学が振るわなかった上に2次試験でも必要だったので、本当に力が出せるか不安でした。高校の同じクラスで徳大を受ける人が多かったので、仲のいい友達と競い合うように勉強する中で、少しずつ手応えを感じるようになりました。僕の高校は2年生から受験の準備を始めるんですが、2年生の時に3カ月ほど全く勉強が手に付かなかった時期がありました。だから「その頃と比べたらましやな」と思いながら勉強を続けていました。

 やっぱり周りの友人と一緒にやってたのが大きいですね。周りの人と「ここ解けた?」って質問し合って、「(どっちが点数取れるか)勝負しよう」みたいな雰囲気で勉強したことにも助けられました。

 どれだけ自信がなくても、やったことは身に付いてる、身に付いてるんやったら大丈夫だと思っていました。あとは、学校の先生をかなり利用しました。先生に何度もお願いして「毎日これやるんでチェックしてください」って。自分だけだったらやらないので。英語が悪かったので「テストをしてください」とお願いしたこともありました。

総合科学部社会総合科学科 岩崎朱莉さん(19) 熊本県出身 前期合格

岩崎朱莉(いわさき・あかり)さん

 私はとりあえず赤本を買って、2、3冊をこなしました。親に負担を掛けたくないという気持ちで、私立は受けず国公立1本で目指していたので絶対に受からなきゃという気持ちで挑みました。

 試験前は夜眠れなくて、寝る前には必ず音楽を聴いてましたね。毎日、言葉にできないぐらい不安でしょうがなかったです。友達と「一緒だよね」みたいな話している時は唯一安心できたと思います。あとは柴犬を触って癒やされていました。

 よく死ぬ気で頑張れって言われるじゃないですか。あの言葉、私は嫌いなんですよ。自分の目標に向かって勉強することはもちろん必要なんですけど、100%は自分に厳しくしないでほしいです。10%、20%くらいは自分を甘やかす気持ちを常に持っておいたほうがいいと思います。「病は気から」じゃないですけど、毎日万全な状態で勉強して活動するためには、自分の精神状態も大事になってくると思うので。自分を甘やかしてもいいよっていう気持ちを心のどこかに置いてもらったら、安心もできるし、本当に苦しかった時、その気持ちに頼れると思います。

 勉強面では、漢文と英作文は先生に聞きに行った方がいいです。赤本に載っている答え以外の答えももちろん正解としてあるので、「これどうなんですか」と聞いてました。自分一人でやるよりは頼れる力を使った方がいいと、私は思いました。

歯学部歯学科 松本耀彦さん(20) 奈良県出身 後期合格

松本耀彦(まつもと・てるひこ)さん

 前期は別の大学を受験しました。後期の試験内容は小論文です。一つ目は与えられたテーマで自分の考えを書くタイプ。二つ目が英語で和訳問題みたいな感じでした。

 共通テストが終わってから2次の勉強を始めました。中期日程の試験も別の大学を受けたんですが、そこから後期まで1週間ほどしかないので、過去問を1、2年分解いて、あとは全て面接対策をしていました。予備校の先生に面接監督になってもらって練習していましたね。

 後期の受験科目の小論文は、前期、中期の問題と全く種類が違いました。自分は国語力だけは高かったので、小論文に注力するより面接の準備に力を入れようと考えました。

 気分転換は友達としゃべったり、ゲームをしたりしていました。模試で厳しい結果が出た時は落ち込みましたが、無理やり気分を切り替えようはせず、時間の経過に任せました。1日寝たら忘れるタイプなので。睡眠は6~7時間程度でした。疲れ次第では大変な時もあったので、そういうときはちゃんと寝ました。

 前期後期のどちらを受けるかで心構えが違うと思うんです。後期を受ける人たちに対しては、諦めない心ですね。試験に関しては文章力を鍛えておくといいかなと。自分は諦めずにやってきたので、今は良かったと思っています。

<下>はあす午後6時公開予定です。