修繕された巨大タヌキ像=小松島市小松島町のステーションパーク

修繕された巨大タヌキ像=小松島市小松島町のステーションパーク

修繕前のタヌキ像=2020年4月

修繕前のタヌキ像=2020年4月

 徳島県小松島市小松島町の小松島ステーションパークにある世界一大きいタヌキの銅像が、完成以来30年ぶりに修繕された。汚れた部分を磨くなどして、本来の光沢がよみがえった。60年ほど前まで同市で過ごした橋本佐代子さん(90)=徳島市川内町=が古里の活性化に貢献しようと、費用の全額60万円を負担した。

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 タヌキ像は高さ5メートル、重さ5トン。小松島市を舞台にした民話「阿波の狸(たぬき)合戦」に登場するタヌキ「金長」をモチーフに、1993年に市が約2600万円をかけて造った。背後に人工の滝があり、像の前で手をたたくと水が流れ出す仕組み。市内の観光名所になっている。

 しかし、経年劣化から像の表面が腐食。白く色あせたり、青さびが目立ったりする部分があった。市は年1回の水洗いをする程度で、これまで本格的な修繕はしてこなかった。

 橋本さんは30歳ごろまで市内で暮らし、現在は徳島市の有料老人ホームに入所している。2022年夏、施設の職員からタヌキ像の写真を見せてもらう機会があり、貴重な観光資源が劣化していることに寂しさを感じたという。

 「パークがある港地区は昔、大阪や和歌山に向かうフェリーが多く行き交い、活気があった。できる範囲で港の活性化に協力したい」と、施設を通じて小松島市に、像の修繕と費用の全額負担を申し出た。

 市は30年前に像を造った富山県高岡市の業者に修繕を依頼。22年12月に像を研磨したり、光沢材を塗ったりして仕上げた。

 完成後、施設職員と一緒にパークを訪れ、像を見た橋本さんは「地元に恩返しができてよかった。とてもきれいに仕上げてくれたので多くの人に見てもらいたい」と笑顔を見せた。