台紙に押された4神社のスタンプ

 美馬市脇町西大谷の西照神社など市内の4神社が、スタンプラリー「美馬まほろばの里 開運四社巡り」に取り組み、県外から参拝者を呼び込んでいる。過疎高齢化の進行で地元の参拝者が減る中、神戸や大阪、遠くは北海道から訪れて芳名帳に記帳している。都築誠宮司は「神社に人が集まれば活気づき、防犯面でも安心」と手応えを語る。

 4神社は西照神社、岩倉八幡神社(脇町東山)、正部神社(美馬町正部)、玉振神社(美馬町宗重)。「四社巡り」は、4神社の宮司を務める都築宮司が参拝者を増やそうと氏子らに提案し、昨年末にスタンプを各神社に置いた。

 スタンプには、それぞれの神社の由緒や名称にちなんだデザインが描かれている。月の神を祭神とする西照神社は月と2匹のウサギ、岩倉八幡神社はかぶと、正部神社は九つの星を表す九曜紋、玉振神社はサルの絵馬だ。専用台紙(300円)は西照神社で販売し、これまでに100枚程度売れた。

 同神社は、パワースポットとして雑誌などに取り上げられるなど隠れた名所で、これまでも香川など県外の参拝者が訪れていた。残りの3神社の参拝者はほぼ全員が地元の氏子だった。

台紙にスタンプを押す女性=美馬市脇町西大谷の西照神社

 正部神社総代の藤田福男さん(81)=美馬町切久保、養鶏業=は、芳名帳に県外の住所が書かれているのを見て四社巡りの効果を実感した。年20人程度だった地元以外の参拝者が今年は50人前後に増えるとみており「これを機に神社を身近に感じてほしい」と喜んでいる。

 西照神社でスタンプを押していた潮﨑宏子さん(31)=鳴門市鳴門町、准看護師=は「厄年が近いので、難に遭わないよう四社巡りを始めた。何かいいことがあればうれしい」と話した。