話し言葉が滑らかに出にくい発話障害の一つ、吃音(きつおん)のある若者が接客するカフェ「注文に時間がかかるカフェ徳島×四国大学短期大学部」が3月11日、徳島市寺島本町西2の四国大学交流プラザ「TAGーRIーBA」で開かれる。接客に関心のある当事者に体験を通して自信をつけてもらうとともに、吃音への理解を広めるのが目的で、これまでに8都道県で開催されており、中四国では初めて。四国大短期大学部の学生が取り組みに賛同して準備を進めている。
人間健康科2年の玉田菜月さん(20)と幼児教育保育科2年の伊藤聖恵さん(20)がテレビや交流サイト(SNS)で「注文に時間がかかるカフェ」の活動を知り、徳島での開催を企画。四国大生が期間限定で出店する「四国大学チャレンジショップ」の一環として、学生相談室の喜枝直美さんへ提案した。自身も吃音がある玉田さんは「吃音の人が交流できる場所が徳島には少ない。吃音を知っている人が少ない」と思いを語る。
吃音のある人は全国で約120万人いるとされ、接客業に興味があっても不安を感じるなどして挑戦できない若者も少なくないという。「注文に時間がかかるカフェ」は、当事者の奥村安莉沙さん=東京=が発起人となって2021年8月の東京を皮切りに、趣旨に賛同した人らと各地で順次実施している。
四国大学交流プラザ「TAGーRIーBA」でのカフェは1日限定。玉田さんと伊藤さんに加え、吃音のある県外の若者が接客を担い、コーヒーやオレンジジュースなどドリンク6種類を無料で提供する。午後1時から5時まで1部1時間の計4部制で行い、参加は予約制で1部当たり7、8人。当日参加も約10人まで先着順で受け付ける。
来店者は、受付で吃音についての説明を受け、当事者との接し方などを聞いてからドリンクなどを注文する。吃音に関するクイズもあり、全問正解者にはプレゼントが渡される。
開催資金を確保するため1月30日~2月28日にクラウドファンディングを実施し、10万円+3万円の支援金を募っている。目標金額を超えた場合は、今後開催を控えている他地域での費用に充てる予定。千円から支援することができ、協力者にはお礼のメールを送るほか、開催当日に会場内に名前の記載をする。
参加予約は25日からイベント集客サイト「こくちーずプロ」で受け付ける。玉田さん、伊藤さんは「興味のある人や知識を深めたい人はもちろん、知らない人もぜひこの機会に吃音について知ってほしい」とPRした。(辻崎愛満)