町の水産物についての冊子を作った井上さん=牟岐町中村

町の水産物についての冊子を作った井上さん=牟岐町中村

マルシェで販売するおさかな肉だんご

マルシェで販売するおさかな肉だんご

 徳島県牟岐町地域おこし協力隊員で、水産業活性化に取り組む井上富夫さん(55)=同町中村=が町内で水揚げされる魚と、その調理法を紹介した冊子「ミッションは漁師町牟岐の魚を食べつくせ!~究食の記録~」を作った。豊富な海の幸を知ってもらおうと企画した。19日に町海の総合文化センターで開かれる「むぎとしょマルシェ」で無料配布する。

<ニュースを音声で聴く>

 冊子(B5判、24ページ)には、町特産のイセエビやアオリイカ、トコブシなど71種類の魚介の特徴と、お薦めの調理法をカラー写真を交えて紹介している。ボラの塩焼きや、海藻「ヒロメ」のしゃぶしゃぶといった、一風変わったレシピも載っている。

 井上さんは2022年4月に協力隊に着任。33歳から20年間、神戸市で居酒屋を営んでいた経験を生かし、牟岐港で水揚げされた魚の調理法をフェイスブックに投稿するなどして、町の水産業の魅力発信に努めている。活動を続けるうちに豊富な魚種に感銘を受け、恵まれた海の資源を地域住民に再認識してもらおうと、冊子化を決めた。

 冊子では、魚の一般名を地元での呼び名で表記したほか、フェイスブックの投稿日を書いて詳しい情報を見られるよう、工夫を凝らしている。

 19日には冊子を配布するほか、井上さんが手作りした「おさかな肉だんご」(1本100円)を販売する。未利用魚として知られるタカノハダイやボラなどをミンチにして、ユズ風味やカレー風味に味付けしている。

 井上さんは「牟岐の魚の鮮度とおいしさは感動する。子どもたちを中心に水産物の素晴らしさを伝えることで、恵まれた海に誇りを持ってもらいたい」と話している。問い合わせは町企画政策課、電話0884(72)3420。