【毎月第4日曜開催】みかもマルシェ
ある日曜の午前9時30分。東みよし町のカフェ「みかも喫茶」の駐車場はすでに車でいっぱい。野菜に果物、パン、スイーツ、ハンドメイドアクセサリー、多肉植物…立ち並ぶいくつかのテントには行列ができている。10時を過ぎた頃には、早くも完売して店じまいする店舗も。「少しずつ大きくなってきて、今日は特にお客さんが多い。これまでで一番の賑わいです」。店長で主催者の金村盟さん(50・東みよし町出身)がその光景を嬉しそうに見つめる。
2018年にオープンしたみかも喫茶。町の伝統工芸である桐下駄の展示販売や、世界農業遺産「にし阿波の傾斜地農耕システム」の認定地域にある田口農園の野菜を使ったメニューを通して、地元の魅力を発信してきた。日々の営業のなかで「よりたくさんの地元の人に取り組みを知ってほしい」と思いはじめた金村さん。昨年4月にみかもマルシェ、通称“みかマル”をスタートした。「テーマは『つながる・ひろがる』。地元で暮らす方やお店を営む方、生産者の方など、いろんな人が繋がる地域のオアシスを目指しています」。現在、毎月第4日曜に開催。出店者は東みよし町を中心に県西部から約15店舗が集う。
みかも喫茶のオープン時から強力タッグを組む、田口農園の田口真示さん(東みよし町出身)も出店者として参加。標高約400mの高地で育った旬の野菜を軒下に並べ、訪れた消費者と言葉を交わす。「伝統的な傾斜地農耕システムは、SDGsの視点からも理にかなっている。単なる売り買いだけじゃなくて、少しでもその価値を紹介できたらと思うんです」。さらに、みかも喫茶と共同で、季節の野菜を活かしたマルシェ限定メニューを開発。取材日は紫さつまいもの天ぷらが登場して人気を集めた。「生産者と飲食店が繋がって新たな商品を生み出すのも、6次産業化の手段の一つ。うちがモデルになって、ほかの事業者さん同士でも取り組みが広がっていけば理想ですね」と金村さん。「いつかは地域の方々の日常になって『第4日曜に行けば“みかマル”がある』と言ってもらえるようになりたい。そのためにはやっぱり続けることが大事なんだろうな、と思います」。
場所=みかも喫茶(徳島県東みよし町加茂3214-1)
料金=入場無料
問い合わせ=みかも喫茶 TEL0883-87-8811