(左から)主催メンバーの真島正宜さん、かもじま五九郎まちづくり株式会社顧問の岡田晋さん。

(左から)主催メンバーの真島正宜さん、かもじま五九郎まちづくり株式会社顧問の岡田晋さん。

マルシェ開催時の様子。たくさんの来場者で活気づく。早々に売り切れるお店もあるほど盛況。

マルシェ開催時の様子。たくさんの来場者で活気づく。早々に売り切れるお店もあるほど盛況。

稲荷通りの目印になるようにと、入口に赤い鳥居を設置した。

稲荷通りの目印になるようにと、入口に赤い鳥居を設置した。

【毎月第3日曜開催】五九郎マルシェ

 鴨島駅前の中央通りから小さな赤い鳥居をくぐって細い路地を奥へ進んでいくと、稲荷通りという昭和レトロな町並みが現れる。「和風バー」や「スタンド」など当時の看板をつけたままの建物が両側に連なる趣深いアーケード。まるでタイムスリップしたかのような不思議な感覚に包まれる。この場所で、昨年11月から毎月第3日曜に「五九郎マルシェ」が開かれている。主催は、鴨島駅前商店街を拠点に街の活性化に取り組む「かもじま五九郎まちづくり株式会社」。住民団体による「かもじま駅前まちづくり会議」の発足やまちかどコンサートの開催などを経て、2019年に設立された。同社のメンバーで吉野川市地域おこし協力隊でもある真島正宜さん(23・兵庫県出身)が中心となって五九郎マルシェを運営している。

 「かつて稲荷通りは10数軒が並ぶ飲食街でした。奥には商売繁盛の稲荷神社もあります。40年間手つかずのまま残っていた通りを、昔ながらの雰囲気を活かして再生していこうというのが始まりです」と同社顧問の岡田晋さん(吉野川市出身)は話す。真島さんは昨年4月に吉野川市地域おこし協力隊として赴任し現地を初めて案内され、そのノスタルジックな世界観にすぐに惹きこまれた。マルシェの立ち上げに向けて昨年夏から動き出した。地域密着型マルシェの運営実績をもつ知人に協力を得て出店者を募り、それと並行して清掃作業に奮闘した。通りに散乱する不要物の片付けや老朽化している場所の補強など約1カ月かけて整備を進めた。

 そして迎えた11月の初開催。オーガニックの野菜やハンドメイド小物など8店が集まった。吉野川マルシェやまちかどコンサートと同日開催のため駅前に人通りはあるが、稲荷通りは見つけにくい場所にあるため、当日は入口でチラシを配って呼び込みをした。「来場者数を数えていたんですが、1100人もの人が来てくれました! この通りを初めて知ったと喜んでくださる人もいて嬉しかったです」と真島さん。ハンドメイド作家さんによるアルコールインクアート体験が子どもたちに大好評だったことから、今後の方向性が固まった。「子どもも楽しめるマルシェにしよう」。開催2回目以降はフードや雑貨販売のほか、ボールすくい、くじ引き、創作体験など子どもが喜ぶ内容に。また、稲荷通りに駄菓子の常設店を開いたのも大きな変化の一つ。五九郎マルシェ開催時と毎週金曜16:00~18:00にオープンしており、子どもたちの笑顔の花を咲かせている。

場所=かもじま稲荷通り(徳島県吉野川市鴨島町鴨島495
料金=入場無料
問い合わせ=かもじま五九郎まちづくり株式会社 TEL0883-38-9138
 instagramあり(@mashima5960koshi)