【農業】長町農園
長町将治さん(40・阿波市出身)
石井町の産直市・阿波食ミュージアムに並ぶ長町さんの丸々としたキャベツ。しっかりとした巻きとずっしり感、見るからに甘みがありそうで惹き寄せられる。
生産者の長町将治さんは、吉野川の広大な中州・善入寺島をはじめ、阿波市市場町の自宅周辺に所有する畑で、両親と共に秋から春はキャベツと白菜、夏場はナスをメインに栽培している。何より大事なのは水の管理。「キャベツは水がないと大きくならないんです。白菜はより難しくて、水が足りないと球の中が萎れてしまう。水を与えるタイミングや頻度など、作物の状態をよく見ながら行っています。畑によって砂地だったり乾きやすかったり土の性質が違うので、それも考慮しながら水を入れています」。
長町さんは就農して約10年。20代の頃は、大学時代に始めたBMXがきっかけでスポーツ自転車も扱う自転車店に勤めていた。父が怪我をして入院したことで家業を継ぐことを決めた。両親に教わりながらも、新たに自分のやりたいことに果敢に挑戦。「ピーナッツバターを作りたい」と、落花生の栽培に乗り出したこともある。名産地である千葉県の落花生研究室を訪ねて作り方を勉強し、善入寺島の砂地を利用して3~4年栽培と商品化に打ち込んだ。収穫から加工まで工程が多く、効率の面から続行は断念したが、「新しいことを試しつつ、楽しく農業をしたい」という想いは変わらない。主力のキャベツやナスも、新しい品種を積極的に試して土地との相性を見極めながら増やしていきたいと話す。