2022年の徳島県人口移動調査によると、県内唯一の村、佐那河内村は16年以来6年ぶりに、転出者より転入者が多い社会増(14人)に転じた。

 「子どもがいなくなれば地域の未来も消滅する。高齢層に偏った年齢構成を是正しなければ」。15年に就任した岩城福治村長が人口減少問題の対策として打ち出したのが「英語教育」「ふるさと学習」「情報通信技術(ICT)教育」の3本柱だった。

 「グローバルかつローカル」な視点と発信力を備えた人材を育てる教育を提供することで、現役の子育て世代の誘致を目指した。

 放課後の佐那河内小学校で、授業を終えた児童がランドセルを背負って音楽室に入った。待っていたのはALT(外国語指導助手)の…