徳島市秋田町周辺のライブハウスやジャズバーなどで一斉にジャズライブが繰り広げられるイベント「徳島ジャズストリート(ジャズスト)」が3年ぶりに開かれる。1988年にスタートして徳島にジャズ文化を根付かせてきたが、新型コロナウイルスの影響で2020年2月以来休止を余儀なくされていた。26日に第65回大会をもって再始動し、7店舗を舞台に県内外のアマチュアバンド28グループの演奏で復活ののろしを上げる。
ジャズストは例年2月と8月の年2回開催。参加店舗の出入りが自由で、1時間ごとに各会場で行われるライブを思い思いに「はしご」しながら楽しめる。3年間の休止を挟んで今年で35周年となる。
実行委員長で、徳島市のジャズクラブ「スウィング」を経営する久津和(くつわ)安江さん=同市秋田町2=は「復活の一発目として、ジャズストの健在ぶりをアピールする開催にしたい」と力を込める。
今回は県内を拠点とするバンドが中心で、徳島ゆかりのミュージシャンの演奏を存分に堪能できる。
ジャズスト常連で「スウィング」のハウスピアニストも務める後藤美穂さん=徳島市=は、県外のミュージシャンと組んで「後藤美穂トリオ Shikoku Special」として登場。第1回から出場するピアニストでジャスストの発起人の一人、佃洋子さん=同市=は今回も「ヨーコ・バーボンストリート」を率いて参加する。
県外からは広島県を拠点に活動する「Like Minds」「やまねこs」「Majestic 6」の3バンドが初めて参加する。「やまねこs」のリーダーでフルート奏者の小林あいさんは徳島文理大出身。久津和さんが岡山県のジャズクラブを訪れた際、演奏していた小林さんと出会ったのが縁で出場が決まった。
「ここ最近は今か今かと開催のタイミングを図っていた」と言う久津和さん。世間の風潮を鑑みつつ昨年末に実行委員会で提案し、満場一致で決まった。
ジャズストに出演するアマチュアバンドにとっては発表の機会を奪われてきただけに、久津和さんは「まずはミュージシャンの人たちから開催を喜ぶ声を聞けたことがうれしかった」と笑顔を見せる。来場客に向けては「今まで生演奏を聴けなかった分、ジャズストで改めてその良さを知ってほしい」と呼び掛けた。
早くも東京のプロから夏の開催への参加に関する問い合わせが来ているという。「8月の第66回は、ゲストのプロミュージシャンなどもっと多くのバンドを呼び、35周年を打ち出して本格的に開きたい。その試金石とするために今回を無事に成功させて勢いをつけたい」と力強く語った。(植田充輝)