徳島県西部で暮らす自営業男性(57)は昨秋、90代で亡くなった父の氏名を徳島新聞朝刊の「お悔やみ欄」に載せた。これまで、そして今後の地域との付き合いを考えると、ごく自然な判断だったという。ただ「当時は新型コロナウイルスの県内感染者数が落ち着いていた。もし連日千人を超える状況なら掲載を迷ったかもしれない」と振り返る。

 県内の市町村は、死亡の届け出があれば新聞掲載の希望を確認し、報道機関に書類を送る。三好市の担当者は「コロナ禍で希望数は明らかに減った。不特定多数が集まらないよう、家族葬が増えたためではないか」と言う。

 自治体が受理した死亡届を基に集計する厚生労働省の人口動態統計の死亡数と…