来年改選の参院議員の任期切れまで25日で1年。徳島県内では、再選を目指す自民党現職の中西祐介氏が選挙区から名乗りを上げているが、県域を越える新たな「徳島・高知」選挙区が導入される見通しとなり、県連は戦略の練り直しを迫られる。他の政党支部も高知支部との候補者調整など新たな課題が出てくるとみられ、従来の選挙スタイルから様変わりしそうだ。
来年夏の選挙に向け、現時点で選挙区からの候補者擁立が具体化しているのは自民だけ。県連は1日、党本部に中西氏の公認を申請したが、高知県連も新人の元県議を公認申請している。改正公選法成立後、党本部に新選挙区の候補者選定を委ねることになる。
問題は選挙区で擁立できなかった県の候補への救済策だ。22日の党選挙制度調査会で谷垣禎一幹事長が検討する考えを示したが、徳島県連幹部は「救済がなければ両県連の連携は難しく選挙は戦えない」と危機感を強め、円満決着を求める。
合区導入で、各党はこれまでとは次元の違う取り組みが必要になる。
選挙区の面積は徳島(4145平方キロ)に高知(7105平方キロ)が加わり、約2・7倍に広がる。有権者数(6月2日時点)は徳島64万3088人、高知62万300人。さらに選挙権年齢の「18歳以上」への引き下げで徳島約1万3千人、高知約1万4千人が新たに加わり、計約129万人になる。
各党は「どんな戦いが展開されるのか想像がつかない」と口をそろえ、「党本部主導の選挙戦にならざるを得ないのでは」とみる。
自民以外の政党は合区導入が決まり次第、高知県連との調整を急ぐ考えだ。
民主党徳島県連は元職の中谷智司氏の返り咲きを狙い、立候補を本人に打診。高知県連は3選を目指す現職の広田一氏の擁立を模索している。
両県連は、党本部も交えて候補者選定を進める考えだ。民主は四国では広田氏が唯一の参院選挙区の議席を獲得している。
1947、59年を除き毎回、選挙区から候補者を立てている共産党県委員会は「合区が正式に決まったら高知県委員会と対応を協議する」としている。