茶入れ袋師の仕事について紹介する土田さん=徳島市のあわぎんホール

茶入れ袋師の仕事について紹介する土田さん=徳島市のあわぎんホール

茶入れの仕覆づくりを実演する=徳島市のあわぎんホール

茶入れの仕覆づくりを実演する=徳島市のあわぎんホール

 茶道講演会(県茶道協会、徳島新聞社主催)が26日、徳島市のあわぎんホールであり、茶道具を入れる袋「仕覆(しふく)」などを作る袋師・13代土田半四郎さん=京都市=の講演に約400人が聞き入った。

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 土田さんは茶道・千家の茶道具づくりを担う「千家十職」当主の一人。「茶入袋師の仕事」と題し、江戸時代に表千家6代家元に引き立てられて初代が袋師となった歴史をはじめ、代々の当主のエピソードを紹介した。

 茶道具の小つぼ「茶入れ」を入れる仕覆づくりについては「仕上がると色合いのイメージが異なることがあり、非常に難しい」と説明。実際に、仕覆の寸法を決める作業や綿入れなどを実演し、「一つを3カ月ぐらいかけて仕上げるのが一番いい。茶入れによって形は違い、同じものは一つもない」と語った。

 鳴門市里浦町の教員、松下恭子さん(60)は「実演を見られてよい機会になった。代々続く歴史的な重みを感じられた」と喜んだ。