徳島県立博物館は9日、勝浦町にある白亜紀前期(約1億3千万年前)の地層から、国内最古級の恐竜化石含有層(ボーンベッド)や、国内最大級となる竜脚類の草食恐竜の歯の化石など計45点の化石が見つかったと発表した。ボーンベッドが確認されるのは国内10例目で中四国では初めて。この地層が白亜紀に日本列島の沿岸部だったことを示しており、専門家は、恐竜の生息状況など全体像の解明につながると期待している。
 

徳島県勝浦町で見つかった竜脚類恐竜の歯の化石(同県立博物館提供)

 県立博物館や福井県立恐竜博物館、徳島の化石愛好家が勝浦川支流沿いの地層を発掘調査。今年4月に恐竜の化石が相次いで見つかり、ボーンベッドと特定した。地表に露出した厚さ約30センチ、幅約1メートルの層を数十センチ掘削する中で、多くの化石が確認された。

 発掘されたのは、竜脚類の恐竜の歯(3点)のほか、恐竜の骨質化した腱(けん)(2点)、白亜紀のワニの歯(2点)など。腱とワニの歯の化石は、中四国で初めて発見された。

 竜脚類の歯は、2016年に勝浦町で見つかった化石と同様、竜脚類の草食恐竜ティタノサウルスの仲間のものとみられる。最も大きいものは高さ3・8センチ、幅1・3センチで、国内最大級とした同年の化石に比べて1・5倍大きい。長い首と尾が特徴的な恐竜で、体長15メートルほどの可能性がある。

 腱の化石は大きいもので高さ3・5センチ、幅0・4センチ。骨と骨をつなぐ腱が骨のようになっており、草食恐竜イグアノドンなど、鳥脚類の恐竜の可能性がある。

 白亜紀前期の日本はアジア大陸の一部で、徳島など中央構造線より南の地域は海だった時期が長く、恐竜化石が見つかるのは珍しい。ボーンベッドが確認されたことで沿岸部だったことが分かり、今後さらに多くの化石が見つかる可能性が出てきた。

 勝浦町では、1994年にイグアノドン類の歯、2016年にティタノサウルスの仲間の歯の化石が見つかっているが、いずれも地層から抜け落ちた石(転石)に含まれていた。

 県や県立博物館は発掘調査を継続し、勝浦町と連携して保全や活用にも取り組む。