阿波市の特産品を使ったベーグルを考えた(右から)中田さん、南さん、安友さん=同市吉野町柿原の「エーベーグル」

阿波市の特産品を使ったベーグルを考えた(右から)中田さん、南さん、安友さん=同市吉野町柿原の「エーベーグル」

 阿波高校(阿波市)の2年生3人が、トマトや牛肉など市産の農畜産物を具材に使ったベーグルサンドを考案した。地元特産品を若者らにPRし、消費拡大や地域活性化につなげる狙い。同市吉野町柿原のベーグル店「A―BAGEL(エーベーグル)」で販売し、連日完売するほどの人気を集めている。販売期間は3月末まで。

 商品を企画したのは、中田花穏(かおん)さん(17)、南歩那さん(17)、安友きらりさん(17)。地域をより良くするアイデアを考える授業「総合的な探究の時間」で、地方創生をテーマに市特産品のPR方法を探り、同世代の若者らが注目する商品の開発を決めた。

 店舗は学校近くにあるため生徒らがよく利用。ベーグルがさまざまな具材との相性が良いこともあって、昨夏に店主の竹本敦子さん(48)に協力を求め、快諾を得た。9月ごろから週1回の授業時間に市の特産品について情報を集め、コストや販売時期などを考慮して具材に使う食材を吟味した。

 完成したベーグルサンド「阿波高校コラボベーグル」は、しょうゆベースで調理した市産のトマトや黒毛和牛のミンチに、ハチミツを絡めて甘辛く味付けした。チーズを練り込んだベーグルで挟み、老若男女が楽しめる商品に仕上げた。

 チラシを作って市内の公共施設や商店など8カ所に掲示を呼び掛けたり、交流サイト(SNS)で商品を告知するアカウントを作ったりしてPR。1月11日から1個550円で販売を始めたところ口コミで評判が広まり、1日約20個を連日完売した。当初は2月末まで販売する予定だったが、反響を受けて1カ月延長した。

 竹本さんは「出店できたのは地域住民に支えてもらったおかげ。地元の生徒の学びを手伝うことで、少しでも恩返しができたらうれしい」。南さんは「地域の人とコミュニケーションが取れていい経験になった。商品を通じて市のおいしい食べ物を知ってほしい」と呼び掛けている。

 定休日は月火曜。