ベートーベンの交響曲「第九」アジア初演100周年を記念し、鳴門市大麻町の板東地区自治振興会が、地域の散策マップ「BANDOてくてくMAP」を作った。穴吹調理デザインビューティカレッジ(徳島市徳島町2)の学生が制作を担当し、ポップなデザインに仕上げている。
マップはA5判二つ折り。市ドイツ館や板東俘(ふ)虜(りょ)収容所跡、ドイツ兵慰霊碑のほか、霊山寺や大麻比古神社など捕虜ゆかりの名所を紹介。振興会が企画した「第九グルメ」のホットドッグやせんべい、レンコンシューマイ、揚げピザ、ハンバーグが食べられる5店も取り上げている。
若者の感性を生かしたマップにしようと、振興会が学生に制作を依頼。1万部印刷して市に寄贈した。ドイツ館や市役所、なると物産館、道の駅・第九の里などに置いている。
マップを制作したのは、グラフィックデザイン学科2年の形部真輝さん(19)、須藤綾乃さん(19)、豊田葵さん(20)、山下祐希さん(19)の4人。ドイツ館で日独友好の史実を学んだり、現地を歩いたりしながらイメージを膨らませた。
4人は「第九をはじめ、板東にはたくさんの魅力がある。今度は友達を案内したい」と話した。振興会の木村正美副会長(62)は「次の100年を見据え、若い人にも板東の魅力を知ってほしい。マップがそのきっかけになればうれしい」と話している。