美術大受験の予備校や美術教室としてデッサン、工作などを学べる「アート工房創」(徳島市福島2)には、教室内を元気に走り回るウサギがいる。看板ウサギの「べっちゃん」(3歳♀、雑種)。一緒に遊んだり、時にはデッサンモデルを務めたりして生徒たちに愛されてきた。
2018年12月8日に当時の生徒の実家で誕生した。同校代表の鈴木美恵さんは大のウサギ好き。生徒のデッサン向上と命を大切にする心の育成につながればと、年明けの19年1月に迎え入れた。以前にジャックとベックという2匹の看板ウサギがおり、べっちゃんは3代目となる。
教室では足元を走り回ったり、おとなしく一緒に授業を聞いたりと生徒ともなじんでいる様子。デッサンの時間になればピタッと止まり、生徒らは集中して描けるという。役割を終えると大好物のブロッコリーをもらってご満悦。生徒も授業の後、一緒に遊ぶのを楽しみにしており、いい気分転換になっている。また毎朝、窓から登校中の小学生を見送るのが日課で、地域でも人気者だ。
同校は多摩美術大や武蔵野美術大に進んだ卒業生がいるほか、「アイドルマスター」など有名アニメの描写を手掛けるイラストレーター杏仁豆腐さんも輩出している。彼らのルーツには教室に毎日いたウサギの存在がある。被写体を思いやる気持ちを養い、何度も描くことで基礎となる力をつけていったという。べっちゃんは今後もピョンと飛躍していく生徒たちを見守り続ける。(富樫陸)