佐那河内村に計画されている県東部7市町村の広域ごみ処理施設建設などを争点とする出直し村長選が27日、告示される。立候補を予定しているのは前村長の原仁志氏(63)=無所属、同村下=と、新人で元JA徳島市八万支所長の岩城福治(よしじ)氏(58)=無所属、同村上=の2人で、一騎打ちの公算が大きい。計画を推進する立場の原氏と、白紙撤回を訴える岩城氏との間でどんな論戦が繰り広げられるのか、注目される。
原氏は「村の将来を懸けた選挙」と位置づけ、他の自治体と役割分担する広域行政が必要だと強調。ごみ処理施設はその一環だとして理解を求める。建設によって得られる地元対策費を「若者らの意見を尊重し、教育の向上や農業振興などに使う」と主張する。
このほか、これまで進めてきた移住定住促進や高齢者の外出支援などの成果を訴える。村議8人のうち2人が支援する。
ごみ処理施設建設に反対する二つの住民団体から支援を受ける岩城氏は「村民や議会に知らせぬまま、独断で計画を進めた」と原氏の行政手法を批判する。建設するかどうかは「計画を白紙に戻した上で、村民と議論して結論を出す」との考えを示す。
JAに務めていた経験をアピールし、特産品開発や旧佐那河内中学校跡地活用などの推進も訴える。村議4人が支援する。
原氏と岩城氏は9月の出馬表明以降、あいさつ回りを重ね、集会を開くなど活発に動いてきた。告示前最後の日曜日となった25日は、佐那河内小・中学校であった村民体育祭に2人が相次いで訪れ、来場者に支援を呼び掛けた。両陣営とも24、25両日、30~40人態勢で村内全域を巡るなど前哨戦は熱を帯びており、有権者の関心も高まっている。