おはようさん、リーゼント刑事こと秋山博康です。

 1984(昭和59)年4月1日。私は10歳の頃に泥棒の被害に遭い、「将来は刑事になる」と決意しました。その夢がかない、刑事の辞令書をいただいた日です。鳴門署1階の署長室で「鳴門警察署、巡査秋山博康、刑事課勤務を命ずる」と署長が辞令書を読み上げました。

 私の人生で最高にうれしかった瞬間でした。その辞令書を持ち、2階の刑事課へ。階段を二段跳びで駆け上がりました。刑事部屋に入って刑事課長に「今日からよろしくお願いします」とあいさつした時です。「徳島本部から鳴門、水死体発見、現場へ急行せよ」と県警本部通信指令室からの無線通報が鳴り響きました。

 先輩刑事たちが部屋から飛び出して行きました。その時、私はやる気は満々だったのですが、何せ刑事デビューの日。やり方が全く分からず、ボーっと突っ立ってました。刑事課長から「早く行けー!」と言われてから部屋を出た次第です。覆面パトカーの助手席に乗って現場急行。本来なら新米の私が運転をしなければなりませんが、何をどうしていいのか分からず、先輩に付いて行くことしかできませんでした。

 現場に到着してすぐに先輩刑事たちが慌ただしくなりました…