丸みを帯びた真っ白なボディに、ナチュラルな木枠の窓。まるで海外の映画に出てきそうなおしゃれなキッチントレーラーがMegu KITCHENのトレードマークだ。出店場所へ向けてけん引で移動している時から「かわいい!」「何の店? 行ってみたい!」と道行く人の視線を集める。
Megu KITCHENを営むのは、阿波市土成町の「鈑金屋めぐ」(四国運輸局認証工場)。1998年に三木福(めぐみ)さん(64)が立ち上げ、二代目の三木洋志さん(41)とともに鈑金・塗装・整備・車検といった車のメンテナンス全般から新車・中古車販売まで幅広く行っている。ここ数年、移動販売車の需要が高まっていることを受け、約1年前よりキッチントレーラーのレンタルサービスに乗り出した。「トレーラーは運転席がないぶん中が広く、調理などの作業がしやすいです。窓の位置も低めなので、接客の時にお客さんと視線を合わせやすいと思います」と洋志さん。キッチントレーラーは、どんな料理のイメージにも合う白いシンプルなデザインのものを気に入って購入した。それをベースに、棚やテーブルを取りつけたり、既設の作業台の一部を取っ払って冷蔵庫を設置したりと、本職の専門技術を活かし、使い勝手がもっと良くなるようにカスタマイズした。容量の大きな200L給排水タンクを完備し、幅広い調理に対応している。「飲食業に挑戦してみたい人、独立したいと思っている人が一歩踏み出すきっかけになれば」と、1日単位(平日1万5000円、土日祝3万円)でレンタルを受け付ける。トレーラーの移動には↗けん引免許がいるため、設置および回収はスタッフが行う(30km圏内は設置無料)。
出店者の独立応援を通して飲食関係のお店との繋がりが生まれたことで、自社でもキッチントレーラーを使ったフードの移動販売に参入。そして昨年10月に始動したのが「Megu KITCHEN」だ。「お客さんと直接関わりが持てる仕事がしたくて入社しました」と話すスタッフの仁木真梨子さん(43・徳島市出身)が中心となり、道の駅いたのなど各地に出店している。コンセプトは、どの世代にも愛されるカフェ。溶かしバターとスパイスが隠し味の手作りたまごサンド(ハーフ300円)と、香り高い深煎りのハンドドリップコーヒー(ホット450円)は一番人気の組み合わせ。ニンジンやタマネギなどたっぷりの野菜と鶏肉やベーコンの旨味が溶け合う自家製ミネストローネ(350円)、外はカリカリ・中はもっちりの揚げたてカレーパン(300円)、9種類から選べるクリームソーダ(450円)なども揃う。お客さんの声に耳を傾けながらメニューを追加しており、次は土成町産のいちごを使ったパフェを考案中。出店場所や日時はインスタグラムで告知する。
「常連さんが話しかけてくれたり、出店者同士で仲良くなって情報交換したり、出店を重ねるたび楽しくて。移動販売を始めたばかりの私たちですが、だからこそ自分たちの経験を生かして、誰かのチャレンジのお手伝いができたらって思うんです」と仁木さんはにこやかに話す。移動カフェ「Megu KITCHEN」として、そして誰かの始まりの一歩を後押しするレンタルキッチンカーとして。いろんな夢を乗せて、今日もキュートなトレーラーは徳島を走り続ける。
レンタルキッチントレーラー
[レンタル料]
平日24時間まで 1万5000円
土日祝24時間まで 3万円
(イベント会場出店の場合は+1万円)
[基本装備]
・給排水200L完備キッチン
・30km圏内設置無料
[オプション]追加料金が必要
・冷凍庫200L、冷蔵庫
・発電機5500W
・ポータブル電源1500W
・ガスコンロ2口、ガス16kg
Megu KITCHEN 出店情報(Instagramあり)
3/7(火)10:00~16:00
雑貨曜日
場所=イタリアンジェラート ドルチェ(徳島県阿波市阿波町大道北190-1)
鈑金屋めぐ
徳島県阿波市土成町吉田平井53
088-695-4210
営業時間=9:00~18:30
定休日=日祝休