第61回徳島駅伝(徳島陸協、徳島県、徳島新聞社主催)は3日の開会式で幕を開ける。レースは4日から3日間、過去最多タイの16郡市(オープン参加の名東郡を含む)の代表が全44区間268・2キロで健脚を競う。第1日の南方コースには2年ぶりに那賀コースが採用される。開会式は3日午前11時から徳島市のホテルクレメント徳島で開かれ、レースは4日午前7時半に海陽町の宍喰橋をスタートする。還暦を迎えた前回から新たな一歩を踏み出す大会を制するのはどこのチームか。戦力分析に基づき、上位争いや各賞の行方を展望した。

 ◎優勝争い 鳴門・徳島2強

 4連覇を目指す鳴門と4年ぶりの王座奪回へ意気込む徳島の激しい競り合いが予想される。2強を追う美馬市、板野、小松島の3チームは実力が拮抗(きっこう)。前回4位の阿南は3位争いにどこまで加われるか。覇権争いや上位進出を懸け、初日から白熱したレースが期待できそうだ。

 鳴門は大塚製薬陸上部から5人がエントリー。復調した西山、スピードに磨きが掛かった奥谷を筆頭に実力は十分。寺西ら京産大勢も力を付け、一般勢は安定感のある選手が集まった。県高校駅伝で活躍した鳴門高勢と共に中学生の戦力不足をカバーできれば33度目の頂点が見えてくる。

 前回3位に沈んだ徳島は充実した一般勢と中高生を軸に挑む。四国駅伝を2連覇したメンバーの和田(四国電力)と片山、松本(共に市体育振興公社)は大崩れがない。関西実業団駅伝優勝に貢献した大塚製薬の岡田は好調を維持。全国高校駅伝出場の徳島科技高勢、成長著しい中学生の好走を引き出せるか。

 美馬市は全国駅伝出場の美馬中とつるぎ高の男子を中心に若手の層は厚い。一般勢は今回から加わった上村(東洋大)がどこまで順位を上げられるか。木下(中央学院大)や井口(元大塚製薬陸上部)らも勝負強い。

 前回10年ぶりの準優勝に輝いた板野は各年代で有力選手がそろう。男子は東條、小林(共に上武大)や大殿(つるぎ高)、女子は加藤(アグレッシブ)や鳴門高エースの谷らが力を発揮できれば2年連続のメダル獲得もある。

 小松島は5000メートル13分55秒の大西(プレス工業)を筆頭に、中原(大塚テクノ)ら一般勢が引っ張る。3000メートルの今季県中学ランキング1位の井内(小松島中)ら若手も育っており、18大会ぶりの3位を見据える。

 阿南は中学生と女子がトップ級の布陣。中学生は新人賞に挑む生田(阿南二中)や全国駅伝出場の阿南中女子らが流れをつくる。四国駅伝で活躍した数藤(大院大)や福良(富岡東高)も控え、部門別2連覇も狙う。

 上位チームに続くのは海部と名西か。前回8位の海部は5000メートル14分台の祖川(静岡大)や土壁(つるぎ高)、女子では主力の浜(鳴門高)や県中学校駅伝2位の海陽中勢に期待。前回7位の名西は県中学校駅伝で健闘した高浦中男女、石井男子が有望で、一般女子の川内(大塚製薬)が浮上の原動力になりそう。

 那賀、美馬郡が8位入賞に絡み、三好郡、三好市、吉野川、阿波が1桁順位を争う。那賀は岩佐(徳島科技高)光永(小松島西高)前田(鷲敷中)ら若駒の踏ん張りがポイントで、2年ぶりに採用される地元コースで浮上を狙う。美馬郡はエース岡田(大塚製薬)と成長著しい半田勢ら中学生の奮起が鍵を握る。

 三好郡は伊原(関西大)木藤(神奈川大)ら一般勢に加え、藤本(三加茂中)ら女子が粘り強くつなぎたい。三好市は永本友や安藤らの池田中勢、桝田や松下の鳴門高勢を中心に流れを呼び込めるか。吉野川は成長著しい中高生と、復帰組も加わった一般勢の頑張りで上位復活の足掛かりをつかむ。前回12位の阿波は力を付けてきた中高生らの勢いに乗って2桁順位からの脱却を狙う。

 勝浦は日亜化学勢と伸び盛りの小松島西高勢で流れに乗り、最下位脱出に燃える。

 4年連続オープン参加の名東は3日間計17区間に出走予定。将来のフルエントリーにつながる走りを見せてほしい。