大洲には夜おそくに到着した。
 列車が走る鉄橋を探すのは明日にしようと、今夜の寝床を求め、街をほっつき歩いてみる。
 大洲は雰囲気のある街だった。四方を山に囲まれ、まるで街全体が何かから隠されているみたいだ。
 いつかアンナやマドンナと歩いてみたい。そんなことを思いながら、〈おはなはん通り〉という道を行く。