再出発の40区で競り合う中学生女子選手たち=6日、吉野川市川島町川島

 鳴門、若手の好走光る

 4日から3日間、徳島県内全域を巡る44区間268・2キロで過去最多タイの全16郡市(オープン参加を含む)がたすきリレーを繰り広げた第61回徳島駅伝(徳島陸協、徳島県、徳島新聞社主催)。鳴門の4連覇という戦前の予想通りの結果で幕を閉じたが、第2日までは徳島が首位を譲らず最終日まで白熱したレースが続いた。このほか、勝浦が5年ぶりの最下位脱出を果たすなど新春の健脚ドラマは今回も沿道のファンを大いに魅了した。


 最多33度目の優勝を果たした鳴門だが、初日を取れずに頂点に立ったのは今回を含め5度しかない。先手必勝が原則の駅伝。2位に6分17秒の大差をつけて逆転勝利できたのは地力に勝るからにほかならない。区間賞は11人だったが、31人が区間6位以内にまとめる抜群の安定感を発揮。実業団頼みからの脱却を掲げて育ててきた若手の好走が光った。市橋監督は「ミスをうまくカバーしてくれた」と総合力でのV4を強調した。

 4年ぶりの王座奪還を目指した徳島は、初日の2分7秒の貯金を守れなかった。初日は17区間のうち8区間を制するなど13区間でリードを広げたが、第2日以降の27区間は区間賞を取れず、18区間で鳴門のタイムを下回った。それでも7年ぶりに3位に沈んだ前回から順位を一つ戻した椿監督は「全員が力を発揮でき、来年につながる」と前向きに捉えている。

 前回2位に躍進した板野は3位に下げた。それでも若手からベテランまでがうまくかみ合い、38人が区間6位以内をキープ。地道な選手強化が奏功し、中学生、女子総合部門で共に2位に入ったのは明るい材料だ。

 徳島以外で順位を上げたのは7郡市で、前回より2郡市増えた。9位の那賀は台風による浸水被害を乗り越え、2年ぶりに採用された地元コースで元気な走りを披露。11位の三好市も大雪の被害に負けない力走で前回から三つ押し上げた。「中継点で次の走者が見えても緩めず、1秒を大切にした」と柿原監督が語る勝浦は8年ぶりの12位。4年越しの選手育成が実り、悲願の最下位脱出を果たした。4位の小松島をけん引した大西亮(プレス工業)は最優秀競技者(MVP)に選ばれる異次元の走りで沿道を沸かせた。美馬市、海部、吉野川の各チームも健闘した。

 板野のほか、5郡市は順位を下げた。6位の阿南は中学生、女子総合部門で2年連続2冠に輝きながら二つ後退。高校、一般勢が主要区間で順位を押し上げられなかった。9位から14位へダウンした美馬郡は1桁順位が9区間にとどまったことが響いた。懸命につないだ名西、阿波、三好郡の各チームにも戦力の底上げで次回の順位アップにつなげてほしい。

 60回記念の節目となった前回から新たな一歩を踏み出した徳島駅伝。年々、少子高齢化などで選手確保が難しくなる中、ある関係者からは「チーム編成の在り方を工夫できないか」との意見も聞かれる。一方で、今回もオープン参加ながら17区間で懸命にリレーした名東のように将来のフルエントリーを目指し、地域ぐるみで選手を育てるチームもある。郡市代表の選手たちが古里の誇りを胸に世代を超えて一本のたすきをつなぐ大会は他に例を見ない。徳島から5人目となる五輪ランナーを輩出するためにも、大会が魅力あるものであり続けなければならない。