プロ8年目で初めてリーグ戦に出場し、好セーブを見せ無得点に抑えた松澤(右から2人目)=2022年3月23日、鳴門ポカリスエットスタジアム

プロ8年目で初めてリーグ戦に出場し、好セーブを見せ無得点に抑えた松澤(右から2人目)=2022年3月23日、鳴門ポカリスエットスタジアム

 J2徳島ヴォルティスは9日、GK松澤香輝(30)が、J2仙台に期限付き移籍すると発表した。契約期間は2024年1月31日まで。

 徳島で7年目を迎えた松澤は、昨季のルヴァン・カップ清水戦でJリーグデビューを果たすなどカップ戦4試合に出場。リーグ戦1試合にも出て、安定したセービングとキックを見せた。チーム内での人望も厚く、4年連続で選手会長を務めていた。

 ただ、今季チームには昨季34試合に出場したスアレスをはじめGKが5人おり、激しいレギュラー争いを展開。松澤はここまでの3試合でベンチ入りを逃していた。

 松澤はコメントを発表し、「今シーズンは全くチームの力になれず、この1カ月は個人的には本当に苦しい状況が続いていました。そんな中でベガルタ仙台からオファーをいただきました。多くのゴールキーパーがいるにもかかわらず、僕を必要としてくれた気持ちに応えたかった」と移籍を決断した理由を明かした。

 「2019シーズンのプレーオフで昇格を逃し、悔しい経験を乗り越えてつかんだ2020シーズンのJ2優勝とJ1昇格。そして昨シーズンのプロ8年目での公式戦デビュー。ヴィッセル神戸を契約満了となり、拾ってもらったこの徳島ヴォルティスというクラブでたくさんのことを、たくさんの人のおかげで経験することができました」と徳島での日々を振り返った。

 さらに「仲間のために走る。仲間のミスをみんなでカバーする。出てる選手が出れない選手の思いを背負ってプレーする。みんなが同じ思いで戦うことがどれだけ大事で、その一体感がどれほどのパワーを生むのか。そんな大切なことをこのクラブに教えてもらいました」と感謝を表した。

 最後に「このタイミングで徳島を離れることになりますが、僕にとってこれからも大好きなクラブで、大好きな街であることに変わりはありません。必ず成長してきます。皆さんに活躍を届けられるように新天地で頑張ります。どんな時も僕を応援し、後押ししてくださったサポーターの皆さま、本当にありがとうございました」と締めくくった。

 契約上、松澤は徳島との全ての公式戦に出場できない。