「お茶くみは女性の仕事」「義両親の世話は『嫁』の務め」―。8日の国際女性デーを前に、徳島新聞が公式LINE(ライン)登録者に女性差別に関する体験やエピソードを募ったところ、周囲からの心ない言葉や扱いに悩む女性らから56件の返答があった。男女の職務が分けられていたり、家事負担が偏っていたり。性別役割分担意識が根強く残る中、職場でも家庭でも多くの女性が「モヤモヤ」を抱えていることが浮き彫りになった。
「女性差別、感じたことありますか? あなたのモヤモヤ、教えて下さい」をテーマに募集。女性に対しては過去5年間に体験した差別の内容について問い、男性には見たり聞いたりした女性差別について尋ねた。女性からの回答は49件と、全体の8割以上を占めた。
最も多かったのは職場での体験で、22件に上った。具体的な内容は「同じ業務をしているパートなのに、男性の方が時給が高い」(佐那河内村、40代女性)、「男性はすぐ(正規)社員になる一方、女性は子どもを産んだら降格」(徳島市、30代女性)、「性別で昇進のスピードが違う」(つるぎ町、40代女性)など。給与や待遇に男女格差があることが明らかになった。
阿南市の60代男性は「女性の昇給が男性に比べて多い会社はたくさんある」とした上で、「管理職の時、男性の同期よりかなり職級が低かった優秀な女性社員を引き上げたいと努力したが、上の反対でできなかった」との経験を寄せた。
「上司が女性にだけお茶を入れるよう頼む」(徳島市、60代女性)、「お茶を入れるのは女の仕事と聞いた」(徳島市、70代男性)など、「お茶くみ」がいまだに女性の役割とされている時代錯誤な現状を訴える声も。女性は受け付け業務や掃除など、雑務を任されやすいとの意見もあった…
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