J2徳島ヴォルティスは28日、高知市の春野総合運動公園球技場で10日間にわたる1次キャンプに入った。1年でのJ1復帰を果たすために掲げた「全員攻撃、全員守備」を貫くためのベースとなる強靱(きょうじん)な体づくりに励む。全28選手が顔をそろえ、ランニング、ボールワーク、筋力トレーニングにみっちりと汗を流した。
練習が始まった午後3時の気温は8度。寒風の中、まず取り組んだのが走りながらスピードを上げ下げするランニング。途中、鋭角にターンする動きも入れて体に負荷を掛ける。「頑張ろう」。声を掛け合いながら約10キロを黙々と走った。
パス交換、10人一組のボール回しが終わった時点で午後5時。ここから室内に移動し、マシンなどを使って約1時間の筋トレを行った。今キャンプではランニング、筋トレ、サーキットトレーニングの三つをうまく組み合わせ、筋力、持久力、うまい体の使い方などを磨くことに主眼を置く。
初日から3時間を超えるトレーニングに大宮から移籍したFW長谷川悠は「寒いし、長いし、きつい」と第一声。それでもこの時期に体をいじめ抜く大切さを知るだけに「一生懸命やって成果を出したい」と意欲十分。昨年のこの時期は肩の手術を終えリハビリ中だった3年目のDF藤原は「最初から仲間と同じメニューができるのが素直にうれしい。J2もレベルは高い。最後はハードワークし、球際で負けないチームが勝つ」とJ1復帰へフィジカル強化を誓った。
練習を終えて選手がバスに乗り込んだのはすっかり日も沈んでから。精力的な初日を終えた小林監督は「動ける体づくりが最大の目的。きつい中でも選手は明るく取り組んでくれている。いいスタートが切れた」と満足そうだった。
◎小林監督ら決意新た 練習場で歓迎式
徳島ヴォルティスの高知1次キャンプに先立ち、練習場の春野総合運動公園球技場で歓迎セレモニーが行われ、チーム一行約40人が高知県、高知市、県観光コンベンション協会などの約30人から出迎えを受けた。
高知県サッカー協会の竹崎謙会長が「11回目を数える春野キャンプ。長い間、高知に来てくれてありがとう。四国のサッカー界を引っ張るヴォルティスのJ1復帰を願っている」と激励。イチゴ、ポンカン、ブンタンなどの地元特産品が選手らに手渡された。
小林監督は「春野の素晴らしいグラウンドで練習できるのは幸せなこと。昨季はJ1で結果を残せなかったが、1年で復帰し、来年は皆さんにいい報告ができるよう頑張る」と感謝と意気込みを語った。