ロシアにバレエ留学する宮田さん(左)。18日の公演に向け、住友さんと練習に励む=徳島市内

 阿南市羽ノ浦町の宮田くるみさん(18)が、プロのバレエダンサーを目指し、9月からロシアに単身留学する。昨夏のオーディションで基本技術の高さや演技力が評価され、3年越しで国立バレエ学校への進路が開けた。異国の地で4年にわたり技術を磨く宮田さんは「バレエの本場で高い表現力を身に付けたい」と意気込んでいる。

 留学するのはロシア三大学校の一つで、世界的なダンサーを輩出している国立ペルミバレエ学校。欧州などから集まったバレリーナの卵たちと寮生活を送り、舞踊をはじめ、音楽やバレエの歴史などの専門知識をロシア語で学ぶ。

 宮田さんは、3歳から小松島市の「田口さつきバレエ研究所」に通い、舞踊の基本を身に付けた。オーディションには羽ノ浦中3年時から挑戦。繊細な技術が求められる表現力を磨き、体形を保つための食事管理も徹底してきた。

 昨年8月のオーディションには、全国から中高生25人が参加。基本動作の実技やビデオ審査では、170センチの身長と長い手足を生かした正確で優雅な身のこなしをアピール。同時に行われたコンペティションで13人のファイナリストに残るなど演技力も評価され、留学が許可される4人の枠に入った。

 海外への憧れを強くしたのは、研究所の先輩でクロアチア国立劇場バレエ団でプリンシパル(主役)を務める住友拓也さん(28)の存在が大きい。帰国時に出演する研究所の発表会で同じ舞台に立つたびに、向上心をかき立てられた。

 今月18日に阿南市民会館(同市富岡町)で研究所の創立60周年記念公演があり、ソリストの一人として住友さんと共演する。高校2年時にベルギーに留学した住友さんは「留学中にいろんな壁を乗り越えて成長できた。宮田さんもロシアでたくさん吸収してほしい」と期待する。

 通っていた小松島高校の1学期の終業式前日、クラスメートらに夢の実現を誓った宮田さんは「(住友さんのように)海外で活躍できるバレエダンサーになりたい」と話した。