サーキットトレーニングなどでフィジカル強化に励む徳島の選手たち=宮崎市の県総合運動公園ラグビー場

サーキットトレーニングなどでフィジカル強化に励む徳島の選手たち=宮崎市の県総合運動公園ラグビー場

 日向の国で強じんな心身を手に入れる-。J2徳島ヴォルティスが宮崎市の県総合運動公園ラグビー場で行っている2次キャンプ2日目の10日、選手は午前も午後も走り、跳び、蹴った。宮崎ではチーム戦術の浸透を主目的としながらも、90分間走り抜き、シーズンを通して大きなけがをしない体づくりのためのハードなフィジカルトレーニングを継続。「今の苦しみが必ず戦いに生きる」と歯を食いしばって鍛錬している。

 始動日から取り組んできたフィジカル強化はローパワー(持久力)ミドルパワー(スピード持久力)ハイパワー(瞬発力)と段階を踏んで進められている。ミドルからハイへと移行しつつあるこの日は、サーキットトレーニングとペース走を組み合わせた。

 サイドステップした後、前にダッシュしてボールを蹴り、背走して元の位置へ。直後に300メートル(72秒以内)のランニング。距離は200メートル(40秒以内)100メートル(20秒以内)と短くなり全力疾走に近づく。走り終え、体に乳酸がたまって動きにくい状態で5対2のボール回し。「シャープに動いて正確に止めて蹴ろう」とのコーチ陣の要求に選手は額の汗を拭って応えていた。

 厳しいフィジカル強化を進める背景には、昨季J1でボールを回されて体力を消耗し、ここ一番で飛び出していく力が残っていなかったため畳み掛ける攻撃ができなかったという反省がある。要所でけが人が出たことも低迷の一因だった。

 ワールドカップ中断期間直前に足首を骨折したDF橋内は「けがをするとストレスがたまるしチームに迷惑がかかる。今はきついけどロー、ミドル、ハイと徐々に移行しているのでほぼ全員がついていけている」と手応えを口に。ムードメーカーは厳しい練習にも率先して取り組み、今季フル出場でJ1復帰を支える覚悟だ。