徳島県勝浦町社会福祉協議会が町内の学校制服の再利用(リユース)に取り組んでいる。持続可能な開発目標(SDGs)を推進し、保護者の経済的負担を軽減しようと、子育て中の職員が呼び掛けた。2021年12月から始まった活動は口コミで広がり、利用者が増えている。保護者や民間事業者がリユースに取り組む事例は県内でもあるが、社協が行うのは初めて。
取り扱っているのは、町内の保育園や小中学校の制服と体操服。体が成長して合わなくなったり卒業で着なくなったりした制服を無償で提供してもらい、希望者に無料で譲渡する。提供者は同町久国の社協事務所に制服類を持ち込み、希望者は現物を確認して受け取る仕組みだ。
利用が増えるのは年度替わりや衣替えの時季で、これまでに持ち込まれたのは88着に上る。21年度は20着ほどだったが、本年度は約70着の提供があった。1月以降は「制服がほしい」との問い合わせが相次ぎ、集まった服の半数以上は新たな利用者に引き取られているという。
町内の30代女性は、子どもの中学進学に合わせて小学校の制服を提供し、中学校の制服を譲り受けた。女性は「入学準備で制服などを新品でそろえると10万円を超える出費になる。4、5万円は節約できた」と明かす。「着なくなった制服もまだきれいだったので、必要としている人につなぐことができて良かった」とほほ笑んだ。
活動には町内のクリーニング店も賛同。服を提供した人に、店で使える3割引きのクーポン券をプレゼントしている。
社協の担当者の津路美穂さん(51)は「年度替わりで制服を必要とする人が増える。多くの人に利用してほしい」と呼び掛けている。