猛暑が続く中、小学校へのエアコン設置を求める手紙が徳島新聞に送られた。徳島県内のエアコンの設置状況はどうなっているのか。調べてみると、急ピッチで整備が進んでおり、15市町村で小中学校の普通教室の設置率が100%になっていた。一方、整備中や未整備の地域住民には「一日も早く稼働を」との思いが募る。菅義偉官房長官は7月24日、学校のエアコン設置について「来年のこの時期に間に合うよう政府として責任を持って対応したい」と表明したものの、具体的な対策や財源は示されていない。全ての子どもたちが快適に過ごせる環境整備が急がれている。

 

 手紙を寄せたのは、小学生の子どもを持つ徳島市の女性(32)。愛知県で小学1年の児童が熱中症で死亡したニュースを踏まえ「わが子も学校で熱中症になり、何度か迎えに行った」「何より優先されるべきは子どもの命である。来年の夏に間に合うよう、全ての学校のエアコン設置を早急にお願いしたい」とつづった。

 徳島市は2017年度から、3カ年計画で幼稚園と小中学校のエアコン設置を進めている。総事業費は約20億円。17年度は全ての幼稚園と中学校で設置が完了し、18年度と19年度で小学校15校ずつに備える。全校生徒に対する1、2年生と特別支援学級生の割合が高い上位15校を優先している。

 ただ、事業着手しても稼働までには時間がかかる。市教委は、エアコンを設置するには、使用電気が増えるのに伴う受変電設備の取り替えや各教室への配線など大規模な電気工事が必要。その上、子どもたちが不在の学校休業時でなければ工事ができないため、工期は長くならざるを得ないと説明する。

 18年度に整備する学校も夏休みに入って精力的に工事を進めているものの、冬ごろまでかかる見通し。冷房が使用できるのは19年夏で、19年度に予定されている学校は20年の夏になる予定だ。

 他の自治体はどうか。17年度に、全小中学校で整備した阿波市や全小学校に設置した鳴門市など15市町村が、小中学校とも普通教室の設置率が100%だった。

夏休みを利用して教室内で作業が行われている川内南小学校=徳島市川内町宮島本浦

 徳島市とともに設置率が低かった阿南市は、17年度に全中学校で整備を完了した。18年度は全小学校の普通教室で設置を終え、19年度は全小学校の特別教室に設ける。

 このほか、工事中なのが小松島市の中学校、勝浦町と牟岐町の小学校。上勝町は国の補助金が得られ次第、小中学校の工事にかかる予定で、海陽町は19年度中の全校整備を目指している。牟岐町の中学校や美波町の全校でも設置への準備が進められている。

 

 猛暑日増で設置率上昇

 県内市町村でエアコン整備が加速している背景には、気候の変化がある。以前は財政面や、「昔は辛抱していた」という意識から消極的な姿勢も見られたが、子どもの命に関わる暑さが続き、整備に踏み切る自治体が相次いだ。設置が進むと、遅れている地域の住民の要望が強まり、競い合うようにして設置率が上がった。

 徳島地方気象台によると、最高気温が35度以上の猛暑日が5日以上だった年は、1930年から89年までは1回だけだったのに対し、90年代は4回、2000年代は3回、10年代は昨年までの8年間で4回に上る。今年は7月末時点で既に8日を数えている。

 

 県内市町村で小中学校とも普通教室の設置率が100%だったのは、14年4月1日時点では6市町村だった。17年7月の徳島新聞の調べでは11市町村、今回は15市町村となっており、急速にエアコンが普及している状況がうかがえる。