すでに受験勉強から解放され、4月の大学進学に向けて準備を進めている人もいるだろう。しかし、新しい生活に期待を膨らませつつも、高校までとは変わる環境に不安を抱いている人も少なくないのでは。そこで県内の大学に通う学生に授業やサークル、アルバイトなど、さまざまな観点から経験談やアドバイスを聞いた。(鈴江宗一郎)
話をしてくれたのは、徳島文理大理学療法学科の水谷瞳(つぶら)さん(19)、同大人間福祉学科の猪狩嘉希(ひろき)さん(19)、四国大人間生活学科の川上日菜さん(19)、徳島大社会総合科学科の小坂優里菜さん(19)のいずれも1年生4人。
授業や課題、テスト
水谷さん 高校より授業時間が長くなったことで、入学当初は集中力が続かないこともありました。専門分野の授業は用語を暗記するのに時間がかかり、苦労しています。どうしても分からない内容があれば、先輩や先生に聞いています。
猪狩さん 友達と励まし合いながら勉強をしています。試験が終わったら一緒においしいごはんを食べに行くとか、勉強の後の楽しみをつくるとモチベーションが上がります。
川上さん 思っていた以上に授業のスピードが速いです。理解するのが難しい授業もありますが、要旨をまとめて、無駄な時間を過ごさないように工夫しています。
小坂さん 高校まではレポートを書く機会がなかったので、今は苦戦しています。複数の日に分けて内容を整理しながら書いています。入学前から本を読むなどして、語彙(ごい)力をつけておくといいかもしれません。
アルバイト
水谷さん 大学の近くにある飲食店で働いています。試験前に休みが取りやすいよう、シフトが自由な職場を選びました。
猪狩さん 先輩や友達の紹介で大学近くのラーメン店で働き始めました。雰囲気がとっても良くて、働きやすいです。ミスをしたときの対応など、社会性も身に付けられます。
小坂さん 大学生協で英語講座のサポートや教科書販売の準備をしています。学内なので、バイト先を探す手間が省ける上、安心・安全な環境で働けることが魅力です。
サークル・部活
水谷さん 将来は理学療法士として誰かを支えたいと思っています。サークルではその経験を積むために準硬式野球部のマネジャーになりました。選手の気持ちをくみ取りながらサポートするのは大変ですが、やりがいを感じます。
猪狩さん 軽音楽部に所属し、バンドではベースを担当しています。他の学部の友達や先輩とのつながりもでき、生活が充実しました。楽器の練習が勉強の息抜きにもなっています。
川上さん ソフトテニス部に所属しています。尊敬できる先輩らと一緒に行う練習は、とても有意義な時間になっています。他学部の友達から食事や体づくりについて、専門的な知識を教わることもあります。
入学前とのギャップ
水谷さん 新型コロナウイルス禍の影響でリモート授業になり、友達をつくりにくいのではないかと思っていましたが、すぐにできました。先生や友達も温かく接してくれています。
猪狩さん 思った以上に先生とコミュニケーションがとれる環境でした。下宿生活や大学での授業選択など、自分一人で考えて、進めないといけないことが多かったです。
小坂さん 自由な時間が多いです。友達と遊ぶ機会も増えました。今後は就職活動に備えて資格の習得も考えています。
新入生へのメッセージ
水谷さん 相談に乗ってもらえる友達の存在は大きいです。最初は不安でも、自分から積極的に声をかけてほしいですね。
猪狩さん 最初が不安なのはこれからのことを真剣に考えている証拠。ネガティブになりすぎずに、楽しんでもらえたら。
川上さん 日々の生活でも大学でも自分で選択することが増えます。選んだからには自信をもって突き進んでください。
小坂さん 慣れない環境で体調を崩さないように、休息を忘れず、体に気をつけてください。
徳島大学の公式ツイッターでは大学生活に役立つさまざまな情報を発信しています。
https://twitter.com/Tokushima_Univ
3月3~8日に徳島、四国、徳島文理の各大学の構内で大学生活に関するアンケートを実施し、3大学の1~6年生と大学院生の計31人(男13人、女18人)が回答した。
Q1 アルバイトをしていますか
アルバイトをしている人が23人で7割以上を占めた。アルバイト先の業種は飲食業が11人で最も多く、続いて小売店4人、塾3人などだった。将来就きたい仕事を考えて建設関連で働いている人もいた。
Q2 どこに住んでいますか
出身地は県内10人、県外21人(無回答1人)で、住居は大学近くのアパートやマンションが18人と6割近くおり、実家が11人、学生寮が2人と続いた。
Q3 大学生活で大変だったことは(複数回答)
レポートや発表、模擬授業の準備といった大学の課題を挙げた学生が7人で最も多く、次いでテスト・テスト勉強が6人。授業や国家試験、就職活動という回答も複数あった。
Q4 新入生にアドバイスをするなら
サークル活動やアルバイトをして、人とのつながりを多くつくってほしいとの声が目立った。理由としては「友人が増えると生活が充実する」「たくさんの人と話すと視野が広がる」など。「試験に合わせて計画的に勉強するべき」「やりたいことに挑戦して」との声も聞かれた。