徳島商業高校テニス部が毎週開いている子どもテニス教室は14日、2022年度の最終回を迎えました。受講してきた小中学生は1年の総仕上げとして、4チーム対抗のトーナメント戦をプレー。試合後は部員から修了証をもらって一緒に記念写真に収まりました。最後まで元気にボールを追い掛けた子どもたちの姿に、20日からの全国選抜大会を控える部員たちも意欲を新たにしたようでした。
午後6時半、いつものようにテニスコートに集まった子どもたち。お世話になったお姉さんとプレーする最後の日とあって表情は少し寂しそうです。「こんばんは」「頑張ろうね」。部員が一人一人に声を掛け、気持ちをほぐします。
この日は新居弘行顧問の発案で、子どもと部員が一緒にダブルスを組むなどして団体戦を行うことになりました。みんなで相談してチーム名とペアを決め、試合開始です。
22年の開講当初はラケットにボールを当てるだけでも苦労していた子どもたちでしたが、今ではしっかり相手コートに打ち返しています。ラリーが続くと、周りで見守る部員らの声援も一段と大きくなり、ポイントが決まるたびに拍手も湧きました。
試合後、修了証を手渡された子どもたちは一人ずつお礼の言葉を述べました。「高校生と一緒にテニスを経験できて楽しかった」「いつも優しく教えてくれてありがとう」
高校生もうれしそうに返事しました。「毎週火曜が楽しみでした」「また来年も来てほしいです」
22年度の教室は28人が参加登録。途中、新型コロナウイルスの影響で休講した時期もありました。部によると、教室は13年に開講して今年10年目を迎えます。開講以来、この日を含めて今まで計217回開かれ、延べ5591人が参加したとのことです。
入部1年目で初めて教室に携わった秋山咲悠(さゆ)さん(16)は「子どもたちの感性が豊かで、教室はいつも楽しかった。部活の練習中も小学生の表情を思い出し、元気をもらうことがあります。来年もまた続けたい」と話しました。
子どもたちにパワーをもらった部員たち。間もなく福岡市で開幕する全国選抜大会に徳島県代表校として出場します。20日の開会式で選手宣誓の大役を務める船本紗恵主将(17)は、テニスの普及と高校部活動の可能性を広く発信するため、宣誓の文言の中で子ども教室のことに触れられたらいいなと考えているそうです。
【動画URL】https://youtu.be/JqcvgEVgBBc