明治安田J2第2節は15日、各地で11試合が行われた。徳島ヴォルティスは北九州市立本城陸上競技場で北九州と戦い、0-2で敗れた。通算成績は1分け1敗。磐田が京都に2-0で快勝し、大分を下した岡山、水戸を退けた千葉とともに開幕2連勝となった。初昇格の金沢は東京Vに快勝し、初勝利。J1降格組の対戦はC大阪が大宮を下し、1勝目を挙げた。次節の徳島は21日午後2時から鳴門ポカリスエットスタジアムで岐阜と対戦する。
[評]徳島はボール保持率で上回りながら決定機を築けず、後半にセットプレー絡みから2失点して完封負けした。
前半はカウンター狙いの北九州に対し前線からプレスを掛け、こぼれ球にも素早く反応。ボールを回してサイドからクロスを上げた。0-0で折り返した後半は一転、立ち上がりから押し込まれ、12分にFW小松に裏に抜け出され先制を許すと、24分にはCKのこぼれ球を押し込まれて追加点を与えた。徳島は北九州の10本を上回る13本のシュートを放ったが、精度を欠いて2試合連続無得点に終わった。
GK長谷川徹(2試合連続の無失点はならず)「1失点目はあの角度で僕が股下を抜かれてしまったのが全て。相手のセットプレーにも気をつけようと声は掛けていたのだが。もったいない」
MF佐々木陽(プロ初出場に)「結果が出せずに悔しいし、10点満点で2点の出来。ボールを回してサイドからボールを入れることはできたが、意思疎通が十分に図れなかった」
◎決定機築けず流れ失う
どれだけボールを支配しても、何本シュートを放っても、ゴールを決めないと勝てない。そんな当たり前のことをかみしめる羽目になったアウェー初戦は、セットプレー絡みの2発に沈み痛恨の完封負け。J2に上がってからの5年間、ホーム開幕戦で勝ったことのない北九州の引き立て役に回ってしまった。
引いて守る相手に前線からプレスを掛け、クリアボールを拾っては波状攻撃を仕掛けた。小気味よくボールを回し、中央を固く閉ざす相手のサイドスペースに内田、広瀬陸の両SBが勢いよく飛び込んでクロスを放り込む。ゴールを割るのは時間の問題かと思われた前半の45分間だった。
ところが後半、エンドが変わった途端、ピッチには徳島にとって強い向かい風が吹き始めた。相手がこれまで以上にロングボールを放り込んでくると警戒したのか、最終ラインが下がり、中盤がぽっかりと空いてしまった。こぼれ球を拾われて押し込まれ、2失点へとつながっていった。
かつて徳島で共にプレーしたCB西嶋のハードマークに遭いながらも懸命にボールを受けたFW佐藤は、無得点という結果を重く受け止める。「相手は『パスを回された』ではなく『パスを回させた』程度にしか思っていないだろう。僕もシュート1本しか打てなかった」と唇をかんだ。
昨季J1では堅守速攻に活路を見いだした徳島だが、今季は引いた相手を攻め崩す技術、精度、アイデアが求められる。MF大崎は「まだ攻めのスタイルを構築できていない」と認めた上で「1勝できれば流れは必ず変わる」と前を向く。2試合を終え無得点という前途多難な滑り出しを一刻も早く好転させなければならない。