炭を詰める「炭すご」を編む女性。カヤが材料だった=1971(昭和46)年、本社所蔵写真

炭を詰める「炭すご」を編む女性。カヤが材料だった=1971(昭和46)年、本社所蔵写真

 1971(昭和46)年に池田町(現・三好市池田町)馬路で撮影された一枚。農家の庭でむしろのようなものが編まれている。写真説明に「炭すご」とあった。

 聞き慣れなかったので調べてみると、木炭を運搬するための袋のことだった。じゅうたんのように、カヤを縄で編んで作る。冬の季語にもなっているようだ。炭俵とも呼ばれる。

 県内の山間部では冬に木炭が焼かれていた。計画的に山の木を切る区画を設け、移動しながら炭焼きをする人もいた。木炭はかつて煮炊きの必需品で、年配の人なら七輪や火鉢で燃える木炭の記憶があるだろう。

 木炭は、山に生える木を蒸し焼きにして作る。炭すごの材料のカヤも山で調達された。編む縄も含めて全て天然素材だった。

 その後、入れ物は段ボール箱やビニール袋に変わった。今では木炭の需要は激減。ほとんどが輸入品になっている。