徳島県内の陸上シーズンが11、12の両日、鳴門ポカリスエットスタジアムで開かれる徳島カーニバルで開幕する。一般の大塚製薬勢は8月の世界選手権(中国・北京)に照準を合わせ、参加標準記録突破や6月の日本選手権(新潟)の制覇を狙う。高校生は7月の全国高校総体(和歌山)、中学生は8月の全日本中学校選手権(北海道)での上位入賞を目指す。今年は鳴門で6月に四国高校選手権、8月に四国中学総体があり、地の利を生かしての好記録も期待できそうだ。今季の県内陸上界を展望する
【一般】大塚製薬勢では、3月の名古屋ウィメンズマラソンで自己ベストの2時間24分42秒をマークして日本人2位に入り、世界選手権女子代表に選ばれた伊藤舞に注目が集まる。16日から米国で高地練習を始め、8月30日の本番に向けて強化を図る。日本人トップで8位内に入賞すれば来年のリオ五輪代表が決まるだけに気合十分だ。
男子400メートルの金丸祐三は6大会連続の世界選手権出場を狙う。1~3月の沖縄合宿では順調な仕上がりを見せており、18日の織田記念で参加標準記録(45秒50)突破を目指す。日本選手権では同種目で前人未到の11連覇に挑む。
男子3000メートル障害の松本葵は、参加標準記録(8分28秒)突破が至上命題。遠征中の米国で走力を磨き、日本選手権では初制覇を狙う。昨年の日本選手権110メートル障害で3位に食い込んだ逸材で、大塚製薬に新加入した大室秀樹は、自己新での選手権優勝を第1目標に掲げる。女子競歩の渕瀬真寿美は、リオ五輪代表を目標にフォームの修正を図る。
大塚製薬勢以外では、昨年の日本選手権の女子円盤投げで5位に入った中田恵莉子が頂点へ意欲を見せる。今春から四国大職員になり、活動拠点を再び徳島に戻した。自己ベストは51メートル32。まずは中京大での4年間で破れなかった学生記録の54メートル90を目標にする。
昨年、女子ハンマー投げで日本学生個人選手権8位だった村尾茉優(四国大、徳島聾学校出)や、福岡大に進学した女子砲丸投げの西川チカコ(城南高出)らがどこまで記録を伸ばせるか。女子100、200メートルの小山晶(立命大、鳴門高出)、男子走り幅跳びの木内康寛(TTF)らは自己新に目標を置く。
【高校】投てき陣がリードする。男子は円盤投げの幸長慎一(生光学園)が本命。昨年は54メートル80の日本高校記録を樹立し、長崎国体を制した。今季は全国総体をはじめ、高校の主要タイトルを総なめにする可能性がある。2月に右足首を痛めていたが、順調に回復している。
ほかにも円盤投げの小松将弘、砲丸投げの中村歩夢(以上生光学園)、やり投げの山本舜(鳴門渦潮)ら有望株がひしめく。女子はハンマー投げの波多彩希(生光学園)が活躍しそうだ。
跳躍では、男子三段跳びの武林仁(鳴門渦潮)や女子走り幅跳びの喜多世奈(徳島市立)、走り高跳びの小笠原麻結(城南)らが全国総体での上位入賞をうかがう。トラックでは、昨年女子400メートルの県記録を塗り替えた松井令奈(城南)が200メートルの県高校記録(24秒80)突破に狙いを定める。
【中学】昨年のジュニアオリンピック男子1500メートル(1年の部)で3位に入った生田琉海(阿南二)の成長が楽しみ。野口航平(鳴門一)は400メートルに絞って飛躍を期す。女子走り幅跳びの木村美海(吉野)も記録更新が期待される。