28日、EUのエネルギー相理事会で言葉を交わす各国代表ら=ブリュッセル(AP=共同)

 28日、EUのエネルギー相理事会で言葉を交わす各国代表ら=ブリュッセル(AP=共同)

 EU欧州委員会本部にはためくEUの旗=2月、ブリュッセル(ロイター=共同)

 EU欧州委員会本部にはためくEUの旗=2月、ブリュッセル(ロイター=共同)

 【ロンドン共同】EUは28日、エネルギー相理事会で、2035年以降も条件付きでエンジン車の新車販売を容認することを決めた。自動車産業が集積するドイツなどの反対を受け、エンジン車の新車販売を全て認めない当初案を修正した。

 温室効果ガスの排出をゼロとみなす合成燃料を使用する新車に限り、販売を認める。今後、制度設計の詳細について検討するが、合成燃料は価格が高く、普及が課題となりそうだ。

 合成燃料は「e―fuel」と呼ばれ、発電所や製油所などで排出されたCO2を回収し、水素と組み合わせて製造する。走行時にCO2は出るが、製造段階で回収しているため排出量が差し引きで実質ゼロになるとみなす。

 フランスメディアによると、条件付き容認の修正案に対する採決ではポーランドが反対。イタリアとルーマニア、ブルガリアは棄権した。

 欧州委は21年7月、エンジン車の新車販売を35年までに事実上禁止する法案を提案。欧州議会が今年2月に採択し、各国の正式承認を経て法制化される予定だったが、ドイツなどが土壇場で反対の姿勢を打ち出した。