日銀の黒田東彦総裁は29日の衆院財務金融委員会で、10年間の大規模金融緩和策の運営を巡って市場関係者との対話を軽視してきたのではないかと問われ、「金融政策として反省すべきというふうには全く考えていない」と述べた。4月8日に任期満了を迎える黒田氏は、市場の意表を突く政策を繰り返し打ち出した。

 日銀は2016年にマイナス金利を導入し、昨年には長期金利の上限を引き上げた。決定前に黒田氏はいずれも導入に否定的だったため、この日の委員会でも市場の混乱を招いたと指摘された。黒田氏は「さまざまな形でコミュニケーションを高める努力をしてきた」と反論した。立憲民主党の階猛氏への答弁。