メタバースを活用してカンボジアの日本人学校と交流する児童=上板町の高志小

メタバースを活用してカンボジアの日本人学校と交流する児童=上板町の高志小

メタバースを活用してカンボジアの日本人学校と交流する児童=上板町の高志小

メタバースを活用してカンボジアの日本人学校と交流する児童=上板町の高志小

 上板町の高志小学校は、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用してカンボジアの学校と交流を始めた。子どもたちの情報通信技術(ICT)のスキルや表現力を養うとともに、東京五輪で徳島県などが同国のホストタウンになったのを機に築いた友好関係を発展させる狙い。児童は空間内のキャラクターを介して触れ合いを疑似体験し、互いの伝統文化や学校生活について学んでいる。

 メタバースでは両校を再現した空間内を、児童が分身となるCGキャラクターを操作して行き来でき、文章をやりとりして会話もできる。高志小の6年生18人とプノンペン日本人学校の5年生4人が2、3月に計2回、両校をオンラインで結んで交流した。

 児童は各校に張り出したポスターを使って自己紹介。高志小は藍染や鳴門の渦潮、阿波踊りといった徳島の魅力のほか、コーヒー販売を通した途上国支援の取り組みをPRした。日本人学校は植樹や資源ごみのリサイクルなどの活動を取り上げた。

 山口蓮太朗君(12)は「キャラクターを通して交流するので、顔を見て話すよりも緊張しなかった。カンボジアの子もいろんな活動をしていて興味が湧いた」と笑顔を見せた。

 科学や工学、芸術を組み合わせたSTEAM(スティーム)教育を県内などで進める「steAm」(東京)が、支援するカンボジアの日本人学校の国際交流活動として企画。同社社員で四国大の鈴鹿剛准教授が東京五輪のホストタウンに関連した授業を高志小で行った縁でつながった。

 高志小では4月以降もカンボジア人の学校との交流などを検討している。中川斉史校長は「メタバースを使うことで、リアルに近い形で主体的に海外と交流できる。子どもたちの先端技術を扱うスキルを高めながら視野を広げたい」と語った。