藍染革製品の製造販売を手掛ける老舗呉服店「絹や」(徳島市)が、県内企業にデザイナーを橋渡しし、付加価値の高い製品の開発を支援するプロジェクトを始めた。木工や金属、LED関連の県内6社がプロジェクトに参加して開発に着手しており、来年1月にフランスの見本市への製品出展を目指す。
絹やは、これまでに培ったノウハウや人脈を基に、デザイナー紹介や開発からPRまでのプロデュースを行う関連会社「とくしまデザインセンター」を本社内に設立した。
山田明弘社長が代表に就き、プロジェクトを統括している。インテリアや服飾雑貨のデザイナーが企業と共に製品開発を進めるほか、カメラマン、ウェブデザイナー、空間デザイナーらが、売れる商品のポイント提案やパッケージ、出展ブースの空間デザイン、インターネットでの発信などを手掛ける。
今回、地域資源や伝統産業の活性化を図る県事業の一環で、睦技研、伊川彫刻店、富永ジョイナー、江渕鏡台店、本林家具(いずれも徳島市)、サン電子工業(藍住町)の6社が参加。7月下旬に東京と大阪のデザイン事務所4社のデザイナー計6人が各企業を訪問し、独自技術の特長などを確認した。
メッキ処理やスチール家具の製造などを行う睦技研の黒田睦社長は「自社の技術をインテリア商品に活用したい」と期待。Yデザイン事務所(大阪市)の三宅喜之代表は「企業の強みを最も輝かせられるデザインを提案したい」と意気込む。
各企業の技術や素材に合わせて担当デザイナーを決めており、今後1、2カ月程度でデザイン案をまとめる。12月末に製品を完成させ、来年1月18~22日にフランス・パリで開かれる世界最大級のインテリア雑貨見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展する予定。
山田社長は「デザインの力で製品に付加価値を持たせてブランド力を高め、新たな市場に展開してほしい」と話した。