徳島県歯科医師会は、県内のスポーツ大会への歯科医師派遣を本格化させる。プレーによる選手の口内や歯の損傷を迅速に治療するとともに、けがを予防するマウスガードを普及させるのが目的。第1弾として30日~9月2日に三好市池田町の池田ダム湖で開かれるウェイクボード世界選手権で歯科医師を常駐させ、特設ブースを設ける。
同会によると、スポーツ中に起きるけがの3分の1が口唇や口内の粘膜損傷、歯の破折など口に関するものとされる。マウスガードはこれらを防ぐほか、脳振とう軽減にも効果がある。
高校ラグビーやラクロス、アイスホッケーなどで装着が義務付けられているが、バスケットボールや野球、サッカーといった競技では中高生の口のけがが多いにもかかわらず義務付けられておらず、装着率は低いため、マウスガードの普及に取り組むことにした。
同会は7月上旬、マウスガードの効果や、歯科医師のスポーツ大会派遣などをPRするチラシを県内全小中高校に配った。
ウェイクボード世界選手権では、徳島大病院歯科口腔外科と連携し、大会運営本部の医療救護班として歯科医師1人が常駐。特設ブースではマウスガードを展示し、スポーツにおける歯科の重要性をPRするパネルやリーフレットを置く。
このほか、大会に出場する地元小学生チーム「イケダコイレブン」にマウスガードを提供する。既に全員の歯型を取り、個別に作製した。
森秀司会長は「現場で歯科医師が素早い治療を行い、安心して競技に専念できるようサポートしていきたい」と話している。