ランニングで汗を流す視覚障害者と伴走者=徳島市の徳島中央公園

 視覚障害者と伴走者でつくる徳島市のランニングクラブ「阿波を共に走る会」は発足から2年がたち、会員数が当初の10倍以上になった。会員の大半はウオーキングから始めたが、フルマラソンを目指すまでに成長したランナーもいる。ただ、障害者が十分な練習を積むためには、伴走者をさらに増やすことが課題となっている。

 走る会は屋外で運動する機会が少ない視覚障害者に、安心して体を動かしてもらおうと2016年7月に発足。当初6人(障害者1人、伴走者5人)だった会員は、70人(障害者30人、伴走者40人)にまで増えた。

 毎月第1日曜、徳島市の徳島中央公園で練習に汗を流す。2人一組で輪にしたロープを握り、伴走者は目の代わりとなって進路や路面状況などを伝える。2キロの周回コースで2時間半、思い思いのペースで走ったり歩いたりしている。

 走る距離を延ばせるようになった障害者3人はこの冬、伴走者とペアを組んでマラソン大会に出場し、3キロ、5キロの部でそれぞれ完走した。メンバー最高齢の79歳で大会参加を目指す男性もいる。

 視覚障害のある外園真也さん(31)=吉野川市川島町川島、障害者就労支援施設勤務=は今春、ハーフマラソンで完走した。「手厚いサポートのおかげで長く走れるようになりうれしい。来年春のとくしまマラソンに出たい」と意欲を燃やす。

 ただ42・195キロのフルマラソンを目指すには相当なトレーニングを要する。会の練習には障害者を上回る数の伴走者が集まるが、個人練習のパートナーとして日頃から気軽に走ってもらえる支援体制づくりが必要だ。

 笠井省宜会長(54)は「視覚障害者のマラソン参加と伴走への理解を広げ、サポーターを一人でも多く増やしたい」と話している。入会などの問い合わせは笠井会長<電070(4317)7591>。