乗客をトランク内に閉じ込めたまま高速バスを運行したとして謝罪する宮武部長(右)=高松市内

乗客をトランク内に閉じ込めたまま高速バスを運行したとして謝罪する宮武部長(右)=高松市内

乗客が閉じ込められた車両と同型のバスのトランク(JR四国バス提供)

乗客が閉じ込められた車両と同型のバスのトランク(JR四国バス提供)

 JR四国バス(高松市)は24日、2月に松山駅発徳島駅行きの高速バスで、乗客を客室下のトランクに閉じ込めたまま徳島大学前―徳島駅間の約1・6キロを走行したと発表した。降車した女性が荷物を取るためにトランクに入ったのを、運転手が確認せずに扉を閉めて発車した。女性にけがはなかった。四国運輸局は同日、同社松山支店を20日間の車両使用停止とする行政処分を行った。

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 閉じ込めがあったのは2月24日午前8時10分松山駅発の便で乗客は34人。11時44分ごろに徳島大学前で20代女性が降車し、荷物を取ろうとトランク(高さ1メートル、奥行き2・3メートル、幅1・2メートル)に入った。40代男性運転手は別の乗客のチケットの回収に気を取られ、女性がトランク内にいることに気付かず、扉を閉めて約7分間走行した。徳島駅前で補助員が扉を開け、女性が閉じ込められていたのが分かった。

 同社が4月下旬に女性に謝罪した際、女性は「怖かった」と話したという。

 同社は運転手を戒告処分、宮武賢一取締役安全推進部長を厳重注意とした。

 四国運輸局は同社から3月10日に報告を受けて15日に監査を実施。運転手への指導監督が不適切だったなどとして処分を決めた。

 運輸局への報告が発生から2週間後だったことについて、宮武部長は「まず乗客に直接会って謝罪することを最優先に考えた。遅かったと言われれば弁解の余地はない」と説明した。その上で「非常に重大な過失で、反省している」と述べた。