リハーサルを行う藤本さん(左)と佐藤さん=東京都目黒区のスタジオ

リハーサルを行う藤本さん(左)と佐藤さん=東京都目黒区のスタジオ

 徳島新聞社会文化事業団の設立50周年を記念した邦楽公演「伝承の力 古典の現在(いま)」のリハーサルが東京都目黒区のスタジオであり、地歌箏曲演奏家の藤本昭子さんとジャズピアニストの佐藤允彦(まさひこ)さんが本番で披露する3曲の音を合わせた。

 藤本さんの歌と三弦、佐藤さんのピアノによる「黒髪」「影法師」と、箏とピアノの「乱輪舌(みだれりんぜつ)」を演奏。2時間半かけ、テンポや間などを入念に確認した。「影法師」では、これまでの演奏に新たなアレンジを加えた。

 2人は2020年4月、地歌箏曲の古典にピアノ演奏を組み合わせたCDを発表するなど、伝統音楽の新たな形を提示している。舞台で共演するのは、藤本さんが都内で開いたライブに佐藤さんが特別出演した21年11月以来。

 藤本さんは「お互いのいい部分が見えるような歌い方を心掛ける。古典の魅力と可能性を発信するステージにしたい」。佐藤さんは「節ごとに自在に変わる音階に合わせるのは難しい。(本番では)何とか藤本さんに付いていきたい」と笑顔を見せた。

 公演は6月11日午後1時半から、徳島市のあわぎんホールで開かれる。